斬切りバーニー

ハーフ・オブ・イット: 面白いのはこれからの斬切りバーニーのレビュー・感想・評価

4.3
その映画の主人公を好きになるかどうかは、その映画を好きになるかどうかを、大きく左右するものであると私は思っている。その点において、今作の主人公は私の超ドストライクだった!!

まず驚いたのが、アメリカン・ハイスクールが舞台で、アジア系の女子が主演である映画を、私は初めて見た気がする。しかも、眉毛ビシッ・黒髪ロング・前髪パッツンの3拍子揃った、アメリカ人が好む容姿ではなく、とても自然体の女の子が主人公。

そんな地味な子が、今作では他に追随を許さぬ存在感を放っていたのが印象的だった。持ち前の頭の良さを生かし、宿題代行をして小遣い稼ぎをする小悪党ぶりである。しかし突然、ラブレターの代筆を頼まれることで、物語が大きく動き出す。そこから生じる奇妙な三角関係が、また秀逸なのだ。

そのアジア系女子が主人公には違いないのだが、サイドストーリーに他二人の視点があってもおかしくないほど、よく作り込まれた脚本である。

三者三様に影響を与え、与えられながら、変容していく気持ちが的確で、それぞれの気持ちを想像するのも、また一興。

何度も見たい映画!!