バランシーン

TITANE/チタンのバランシーンのレビュー・感想・評価

TITANE/チタン(2021年製作の映画)
3.5
いやー、何から書けばいいだろう?
リンチ×クローネンバーグ×レフン、で、もちろん仕上げは鉄男風味。作中に溢れるのは文字通りインスパイアとしての、先立の作品たちの横溢なイメージ!
徹頭徹尾、意味はわからん作品でしたが、作り手が何を伝えようとしていたかは痛いほど分かる作品でした。
と、言うか。アレなんですかね?欧州人は自動車に性的なフェチズムを投影しやすいんですかね?(笑)クローネンバーグのクラッシュも大概でしたけど、今回はそれを上回る展開。
自分なりに思ったことを書くと、とにかく現代の疎外を、満たされなさを、そしてジェンダーについてコレでもかと畳み掛けてくる作品。
クルマとのセックスはマジメに書くと暗喩ですよね。そこから本作のジェンダー関連の考察はいくらでも出来そうですが…やめときます(笑)
で、後半は別の意味で狂ったヴァンサンというもう1人の主人公が登場!破滅に向かうしかないアレクシアを自己愛込で必死に繋ぎ止め続ける。最後の「神の子」の誕生を掬い上げ、狂った本作を涙と愛で着地させるのが、そのヴァンサンっていうのも寓意が効き過ぎていて…本当に草です(笑)
ただ、パルムドールなんですよね?本作?
それはちょっと評価され過ぎかなぁ。こういう作品は権威になっちゃダメだと思うんだけど、そういうのも古いのかな。
21世紀のカルト作品はしっかり知的武装もする、ってことですかね。
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