フライ

グローリーのフライのレビュー・感想・評価

グローリー(1989年製作の映画)
4.0
アメリカ南北戦争で黒人が初めて公に戦った実話を映画化した作品だが、ラストの悲惨なシーンが尚更尊く、気高いものに感じさせてくれたし、感動するものが。
本作はなんと言っても主演のマシュー・ブロデリックを喰った黒人キャストのモーガン・フリーマン、デンゼル・ワシントン、アンドレ・ブラウアーの演技の素晴らしさに尽きる様に思えた。
南北戦争の主体である人種差別撤廃が大きく勝敗の行方を左右した黒人参戦だが、北軍初めての黒人部隊を描いたストーリーは、序盤差別と偏見に満ちた内容に観ていて強い嫌悪感を感じた。それでも徐々に分かりあっていく白人上官と黒人兵士達の心が通って行く様や終盤の友愛に満ちた展開は感動せずにはいられなかった。特にデンゼル・ワシントン演じる黒人兵士の心の変化は観ていてとても素敵に感じた。それを象徴するラストシーンは辛いシーンであると同時に、とても感動してしまう素晴らしさがあった。
北軍の人種差別撤廃の裏に色々な背景があるとはいえ、戦争と言う最悪の手段でなし得た時代の潮流を見る事が出来るのはとても素晴らしいと思えたと同時に、彼らの犠牲を無にする様な未だに残る差別感情に辛さを感じてしまった。
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