みーゆー

哀愁しんでれらのみーゆーのレビュー・感想・評価

哀愁しんでれら(2021年製作の映画)
3.7
猛毒


「世界中を敵に回しても子供を守る」「何があったって宝物の子供のためなら何だって出来る」
口先だけじゃなく、本当にそうだった。志だけじゃなく、本当になんでもできた、ただそれだけだった。

親になったことはないけれども。ある日突然親になる、これは誰しもが経験するようなことがあるから彼の言う「覚悟」なんて最初から持ってるだけですごいんだよ、本当は。そんなもん学校で学んだか?先生教えてくれなかったよ。

嫌悪感のあるモンスターペアレントも「こんな親には絶対なりたくない」も、いざ自分がそちら側の立場になった時には本当に同じ言葉が出てくるだろうか?

朝早くから起きて作ったお弁当も一生懸命作ったものも、あんなん良く序盤で殴らんかったな、褒めたいよ。私なら秒でもう作らねえからな!ってキレてる。

「他に何かできることはないかな?」の時点でもう猛毒は身体中にひったひたに浸透してるんだろうな。側から見たら「狂ってる」はずだけど途中までは至って「普通の家族」だったはずなんだ。いつ?いつから?あれ…?本当に普通だった……?

本当に狂ってる人なんて最初からいるはずがない。と、思いたい。
こんなに狂ったことやってんのに「お?やるか?やっちゃう?」って最後思ってた自分にもびっくりしている。

幸せは夢や願望を全て捨てることなんだってさ。
さあ、ガラスの靴でも海に放り投げて王子様でも探しに行こうか。