実生活に恐怖が伝播するホラー映画は大好物ですが、本作を観終わった後は絶対マナーを守り運転しようと心に誓う安全運転啓蒙型スリラーでした。
誰がクラクションを鳴らした相手がブチ切れたラッセル・クロウだと思うでしょうか。
少し前話題になった“無敵の人”そのままに、現代社会の闇を擬人化したようなラッセル・クロウが、あの手この手で女性を追い詰めていきます。ただ煽るだけじゃない、その狡猾さが恐ろしい。本人ではなく周りから潰していくそのやり口、最近『るろうに剣心 最終章』を観たばかりなので縁そっくりだなと。まあ思想や動機の重さは大違いですが。
論理も道理も何もないラッセル・クロウですが、とは言え最初はまだ理性があった。それをつまらない意地を通してしまった事で、事態は悪化の一途を辿るんですね。その最中ラッセル・クロウの「最近は謝れない人間が多い」というセリフには、ハッとさせられました。
それにしたって主人公の危機管理能力の無さすぎは目に余り、伏線の張り方も分かりやすいので想像を超える展開とまでは行かなかったです。
いつラッセル・クロウに遭遇するか分からない。いや、いつ自分がラッセル・クロウになるか分かりません。他者に思いやりを持つ安全運転を心がけて走行しましょう。
