「花束みたいな…」が恋の一大叙事詩だとしたら、こちらはあるクラスタに属する一大叙事詩。
主人公と主人公の立場周りの流れるような時系に飲まれる。全く褒められたことをしているわけではないが、その立場の切なさが沁みる。
彼らは全くカッコ良くないし、時代に翻弄される姿に憐れみすら感じる。
自分勝手すら愛しく見えてくるから綾野剛の力はやっぱり凄い。そして有起哉さん。こんな「兄弟」でもやはり親の愛を競うんだね……
ヤクザの暴力的怖さを描く前半よりも、むしろ後半が怖い。そちらの怖さは「一部」と関わりない「普通の庶民」でも実感できるから。
磯村勇斗くんに一番泣かされた。親父とアニキは同じだったね…。