くう

ヤクザと家族 The Familyのくうのレビュー・感想・評価

ヤクザと家族 The Family(2021年製作の映画)
3.9
「花束みたいな…」が恋の一大叙事詩だとしたら、こちらはあるクラスタに属する一大叙事詩。

主人公と主人公の立場周りの流れるような時系に飲まれる。全く褒められたことをしているわけではないが、その立場の切なさが沁みる。

彼らは全くカッコ良くないし、時代に翻弄される姿に憐れみすら感じる。

自分勝手すら愛しく見えてくるから綾野剛の力はやっぱり凄い。そして有起哉さん。こんな「兄弟」でもやはり親の愛を競うんだね……

ヤクザの暴力的怖さを描く前半よりも、むしろ後半が怖い。そちらの怖さは「一部」と関わりない「普通の庶民」でも実感できるから。

磯村勇斗くんに一番泣かされた。親父とアニキは同じだったね…。

他のユーザーの感想・評価

みや

みやの感想・評価

3.8
テーマ的に敬遠したい人もいるかもしれないけど、是非色んな方に観てもらいたいと思います!

主人公がどういう過程でやくざの道に進んだのか、それから数十年でやくざに対する世間の目が大きく変わり、彼らの進む先には何が待っているのか、とても興味深い内容です。
gigiro

gigiroの感想・評価

3.5
綾野剛を存分に堪能できる作品でした。
金髪の磯村くんかわいい。
ストーリーはかなりベタでした
GAI

GAIの感想・評価

3.7
若干期待しすぎた感はあるが…

なるほど、主人公は“家族”として愛が芽生える時にいつも血に染まっている
“血”のつながり。親方、兄貴、ユカ…

舘ひろし、心が広くて優しい大人の男性過ぎて、ヤクザの親方役とマッチしなかった、というのは私のヤクザへの偏見だろうか

ヤクザでしか生きていけない人
社会がヤクザにした人を、社会が社会から抹殺し、闇に沈めたままにする。どうやってその連鎖を断つことができるのか。社会に何ができるのか
ロビン

ロビンの感想・評価

3.7
ヤクザとして生きた主人公ケン坊を綾野剛が演じる。
ケン坊と言えば、雷門ケン坊を思い出す〜笑

1999年、2005年、2019年の三章で描く、日本のヤクザの今昔物語。
しかし、たった20年でヤクザの環境こんなに変わるかという激動の20年。
特に、服役して出所してからのケン坊はあまりにも浦島太郎状態だったけど、刑務所内で新聞ぐらい読めるだろうから暴対法のこと多少知ってるだろってツッコミ入れたくなる。。

ヤクザが銭湯に入ってるシーンで昔のある出来事を思い出した。
だいたいの銭湯は「 タトゥー・刺青の方、御入浴お断り」の文字が掲げられているけれど、そこは掲げられていなかったことに後で気付いた。。
たぶん、逆にヤクザが来なくなったらそこの銭湯の経営成り立たなかったんだろうね。
自分が銭湯の風呂場に入ったら、客が全員刺青入りまくりのヤクザだったというドッキリのような経験をした。
風呂場ヤバいからサウナに入ったら、当然そこも全部ヤクザ。
すぐ出るのもなんかバツが悪いからしばらくサウナにいたけれど、あの狭い空間に自分とヤクザだけという緊張感は半端ない。
サウナでの汗だけじゃなく、イヤな汗も混じっていたはずだ。。。

市原隼人がSNSに写真を載せた後輩を泣き叫びながらぶん殴るシーンが、めちゃめちゃ印象的。。

後半、成長した翼役の磯村勇斗が良過ぎて、彼に全部持っていかれた感じ。
彼との最初の出会いはドラマ「サ道」だったのを思い出した。

暴力団に属してヤクザになっても、暴対法等で厳しい渡世のヤクザじゃなく、若い奴等はみんな半グレになっちゃってるからね。
なので暴対法が通じない半グレをどう取り締まるかが今後問題なのかも。
それとだいたい昔から思ってたけど、“指定暴力団”って何?って感じ。
ヤクザの存在や人権を認めないなら、指定して暴力団って分かってるなら即潰せば良い。
しかし、それができない理由も色々あるんだけれどね。
そもそも「結社の自由」が憲法で保証されているし。
暴力団のおかげで私腹を肥やしてる連中がなんだかんだ多いから。
やっぱり共存共栄してるってこと。
じゃなきや完全に世の中から消えている存在のはずだしね。
間違いなく必要悪なんだよね。。

ラスト終わり方がとても良かった。
ペコ

ペコの感想・評価

4.1
1999年、2005年、2019年と、3つの時代を生きた1人のヤクザの姿を描いたヒューマンドラマ。綾野剛を始めとする演技派の俳優陣の演技力は素晴らしい。特に3つの時代を生きた綾野剛演じる賢治の表情がどれも違っていて、その演技力の高さに引き込まれました。ヤクザ映画は個人的には苦手なのですが、この映画は"ヤクザの物語”ではなく"家族の物語”でした。ヤクザを肯定するわけではないが、ヤクザだって一人の人間。自分の過去や生き方に苦しんだり、周囲に迷惑をかけたり傷付けたり…。生きにくい社会で生きていかなければならない現実。生活や仕事が違うとはいえ、なんだか他人ごととは思えないような切なさを感じてしまいました。ヤクザにだって人権はあるのだ。ヤクザは家族を築けるのか…時代は違えど、家族を想う気持ちや、愛されたい愛したいと思う気持ち。守りたい守られたいと思う気持ちは一緒であって誰もが持っているもの。"家族”という普遍的なテーマと "ヤクザ”という要素をこれ程までに上手くミックスさせて感動作に仕上げたのだから素晴らしい!昔は「カッコいい」「義理と人情の男が生きる道」というイメージがあったヤクザが、いまの時代では「ダサい」「古い」なんてイメージを持たれている。昔と今の反社会的組織の立場や変化を上手く描いた藤井道人監督の表現力もまた素晴らしい!人は一人じゃ生きていけない。でも誰かに頼ったり、誰かの傍にいたいと思ってしまうと、誰かを傷付けてしまうかもしれない。捨てられる過去と、捨てたくても捨てられない過去がある。人間って不器用で臆病で孤独な生き物なんだと感じました。
不器用ながらも誰かの身代わりになってでも家族を守ろうとした賢治にとっては最後は幸せだったのかもしれない…。救いようのない話なんだけど、少しだけ救われた気がしました。切なくて切なくて切ない映画でした。ちょっと話そうか。
k

kの感想・評価

4.4
イオンシネマワンデーパスポート①
綾野剛×ヤクザ、最高すぎた。
うんうん綾野剛、足速いよね🥰からスタート。
ヤクザの社会での衰退って新鮮だったなあと。
時代の移り変わりが街並みや服装や携帯、車、たばこでわかりやすかった〜
家族を守りたいだけなのにね。家族をつくりたいだけなのにね。間違えちゃうね。
EDはワンフレーズで常田感じて、確信しながら、歌詞見ながらまた号泣。ありがとう常田さん、、、
Yuuuu

Yuuuuの感想・評価

4.2
すごく良かった!!
観に行ってよかった!!

最初から最後まで全然飽きなかったですね〜3つの時代に、分かれてるということも知らないまま観たのでなおさら👏
この作りすごいよかった

ヤクザの時代の移り変わりが観てて面白かった!
SNSのくだりありえないとかいう意見も見ましたが、映画ってたくさんの人に向けていることを前提にするとそういうわざとらしい演出も仕方ないのではと思いますね。

そして、今作は翼役の磯村君がめちゃくちゃよかったです!彼のことは初見でしたがいい役だったしすごいマッチしてた演技も上手✨調べたら今まで出演されてた映画とガラっと違う雰囲気なのでこの役できてよかったですね!と思いました
皆様俳優さん有名どころで迫力ある中であれだけ存在感見せられてるのはかなりすごいと思います。

あとは、最初のクレジットの出すタイミング出し方がカッコよかった〜!!!
大満足の映画でした!
あらた

あらたの感想・評価

4.0

このレビューはネタバレを含みます

2021年初映画
1月中に映画を一回も観ないという、映画オタクとしてあるまじき記録を達成。


よかった。
ちゃんと3章に分かれてる意味のあるストーリーだった。

前半怖え。指のシーンとか。
たまに理解しかねる部分もあったけど、観客に委ねるスタイルなんだと思えば飲み込めた。
映像も音響も良かったし、役者の演技も上手い。舘ひろしの声がやばい良いし、市原隼人はかっこいい。

任侠映画好きが作った現代映画って感じ。
エモヤクザ。たまに演技のクセが目立ったかも。

ミレパの「FAMILIA」が主題歌としてエンドクレジットで流れるんだけど。
ストーリーは最終的にファミリアのMVに繋がるんだと思ったら、案外そうじゃなくて最後のシーンは地味に衝撃だった。

全体的に日本映画特有の暗くて重い雰囲気がMAXに出てた。おそらく夜中に1人で見たら気分落ちすぎて死ぬ。個人的にはあんまり好まない種類の雰囲気だった。

まとめると康すおんと菅田俊2人のキャラとタッグは最高だった。
少年期にヤクザに入り、ぶいぶいやってた綾野剛と組の怖いおじさん達。
しかし、法の改正により、取り締まりが激化。
ヤクザたちは居場所を失い、堅気に戻ろうとするが、世間がそれを許さなかった…。

完全に綾野剛の演技の虜になっちゃった。こんなに演技派だったんだな。今更気付いた。

当然自業自得なんだけど、良心に目覚めても、一度道を外れると、こんなにも残酷な世界が待ってるんだな。道を外れる予定は無いんだけど、少し身震いした。
真っ当に生きよう!!
楽しみにしていた
藤井道人監督の最新作

政治や実在事件、裏社会を描くのは
韓国ノワール映画が世界一だと
個人的に思っていますが
そのレベルに肩を並べる
とてつもない傑作でした

舞台は静岡沼津
ヤクザの生き方が
義理人情から金(シノギ)へと
転換していく話を描くのに
侠客と名高い
清水次郎長の縄張りを持ってくる辺り
なるほどなと思わされます

そしてとにかく
役者陣の気合いが凄い
綾野剛は圧巻ながら
出てくる俳優の皆さんが
漏れなく上手い
キャスティングの勝利ですね

とにかく全てが愛おしい作品ですが
最後の場面が特に印象的です

血を浴びた賢治が
港でタバコをふかす中
バイクの騒々しい音が背景に聞こえる
賢治が立ち上がるといきなり刺される
それは細野だったというシークエンス

スクーターの音がして
同じように乗り回していた
あの頃の大原や細野を思い出した刹那
現在の苦しみ抜いた細野が出てきて
切なさに胸が締め付けられました

こんな骨太な邦画が
もっと沢山作られて欲しいと
素直に思える上質な映画でした
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それにし
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