みーゆー

ヤクザと家族 The Familyのみーゆーのレビュー・感想・評価

ヤクザと家族 The Family(2021年製作の映画)
4.1
義理人情


家族ってなんだろう。血が繋がってるから?血なんて繋がってなくても盃を交わしたら?考えてみても答えは出なくて、答えなんて多分なくて、エンドロール終わっても途方に暮れた。

先日観た他の映画でも言っていたけどヤクザが「普通に生きる」には5年かかるらしい。聞いた時はそんなもんで!?なんてぼんやり思ってたけど、今となっては本当にたった5年で済むんですか…?ほんとうに…?ってかなり疑いの目で見てしまう自分がいる。

「ヤクザでしか生きれなかったやつらはどうやって生きていくんだ」なんて2019年には浦島太郎並みに世界が「普通にはなれなかったひと」に対して一線を引いている。正直、自分に置き換えるとそんな優しくなれるかなと思っちゃうよな。ある意味周りの行動は近しいように感じてしまった。

義理と人情をあれほど大切にしていた人たちが、その大切にしていたものを切り離さなきゃ生きていけない世の中ってほんとうにどうなんだろうな。頭ではずっと分かっているけど、普通に生きてきた私には体は追いついていかない。

北村有起哉さんはいつどこで見ても本当に最高だな。無双すぎる。そして磯村勇斗さんに泣かされてしまった。義理と人情だけでは食べていけないこの世界で、義理と人情を大切にして生きていってくれ。たのむ。

ただ認められて、暖かく迎えられて、お前の居場所はここなんだよって帰る場所がある。「いくとこあるのか?」って聞かれて涙を流したあの瞬間からきっと何も変わってないんだよ。

自分の帰りを待つ人がいる帰れる場所がある。
それがきっと家族なんじゃないか。多分親分が魚釣りながらそう言ってる。