教祖ちゃん

ブリキの太鼓 ディレクターズカット版の教祖ちゃんのネタバレレビュー・内容・結末

5.0

このレビューはネタバレを含みます

3歳で成長を止めた少年オスカルの半生。道化のような振る舞いで家族、恋、戦争の日常を描いている。だいたい3部に分かれてる感じ。
オスカルがとにかく目をぎょろぎょろさせて、太鼓をひたすら叩いてる。やめろと言われても聞かずに、大声を出してガラスを割ってしまう。これだけでもとんでもないストレスだが、彼の周りも負けてない。
1部は母アグネスと父マツェラート、叔父(父?)のヤンとオスカルを中心に描かれる。ヤンとアグネスの気持ち悪いほどの不倫(ヤンは何かとアグネスの身体を弄っている)が印象的。死んだ牛の頭でウナギをとるシーンも相当インパクトあるけど、そのアグネスを介抱しようとアグネスの尻を触るヤンにもとにかく吐き気がする。生魚を貪り食って急死するアグネスも相当。
2部では奉公にきたマリアを巡る物語。オスカルの初恋だが、オスカルの行動が本当に気持ち悪い。性欲に芽生えたがどう表現していいかわからないグロテスクさがあった。さらにそのあと父マツェラートとマリアの性交シーンに出くわすのも気持ち悪過ぎる。胸糞どころかトラウマ。倫理観がみんな色々おかしい。
3部では小人サーカスに加わりパリなどに巡業に。そこで同じ小人症の女性と恋に落ち、自分の生きる道を少しずつ見つけ出すが、戦火に巻き込まれて女性が死亡。家に戻る事に。
結局ドイツ軍は負けてしまい、父マツェラートもほとんどオスカルのせいで敵兵たちにやられてしまう。

あらすじ書き出すだけでもなかなか濃い話だけど、映像としてこの不穏な時代のグロテスクさをトラウマになるレベルで見せつけてくる傑作。
教祖ちゃん

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