烏丸メヰ

ストレンジ・ネイチャーの烏丸メヰのレビュー・感想・評価

ストレンジ・ネイチャー(2018年製作の映画)
2.9
田舎の実家に息子を連れて帰省したキム。そこでは奇形のカエルが大量発生していたり、行方不明事件まで起きていた。
奇形生物の多さに環境問題を重く見たキムは行動を起こすが、自治体や住民のしがらみが立ちはだかり……

ジャンルに“エコスリラー”と銘打つだけあって社会派な映画だが、決して上から目線の説教臭くないばかりかB級ホラーの文脈をも崩さず「環境問題」以外にも副次的な社会問題への批判もストーリーに組み込まれていて個人的に好感触。
(たいした娯楽性や映画としての誠実さも無くドキュメンタリーを作る理論武装もないのに、登場人物の台詞で思想喋らすだけの映画が私は嫌いなので)

環境問題のロジックや描写だけでなく、利権や隠蔽、偏見と差別、それをする親を見て子供も真似る、顔見知り住民間でのなあなあなルール破り、一度都会に出た者への卑屈な風当たりの強さ、無知のくせに感情論で強気……といった、田舎のクソ体質を、いかに不毛で醜く非生産的なものかを上手く描いている。
が、前半はほぼこれなのでスリラーとしてはやや冗長。

ある程度特殊メイクに精通した人が絡んでるな?と思ったら本当にそうだった(監督が特殊メイクアーティスト)くらい、ゴアやダメージシーンには気合いが入っててお気に入り!
烏丸メヰ

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