昨年、名古屋のメーテレで放送された深夜のドラマを再編集した約4時間(途中休憩あり)の作品を観てきました。
ドラマ版は、TVerなら観られたはずなのですが、第1話を逃してしまい、途中から観るのは抵抗があったので、断念しました。
原作も読んでいないので、ほとんど情報を入れずに映画に対面した状況でした。
観終わった率直な感想は?
主人公の辻が恋愛に対してドライな性格で、恋愛映画という事を意識しすぎないような怒濤の展開を次々見せてくれるので、4時間飽きずに楽しめました。
さらにテレビドラマにありがちな顔のアップが多用されず、深田監督のこだわりの映画的な撮影方が採られていて、安心して映画として観る事が出来ました。
出演者陣それぞれのキャラクターが立っていて、個性が光っていました。
中でも、ヒロインの浮世は言動から行動、性格からも不器用さが滲み出ていて、私ならかなり初期の時点で諦めてしまいそうですが、主人公の辻にしては、「本気」にさせるだけの魅力を感じさせる女性として描かれ、物語の中心で目を配らずにはいられませんでした。
映画はそれなりの終わり方を迎えるのですが、それでも浮世に対しての疑心暗鬼は最後まで取れませんでしたね。
最後に、見事な映画だと思うのですが、ドラマ版の完成度の高さがなし得たもので、ドラマ版が観たくなってしまいました。
パンフレットによると、テレビドラマならではでの制約は全くなかったそうで、だからこそスクリーンに耐えられる魅力的な映像が撮られたと思うと、なおさら観たいですね。