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青春の殺人者のlarabeeのレビュー・感想・評価

青春の殺人者(1976年製作の映画)
3.4
【この世でいちばん綺麗な女性は原田美枝子だと昔から思っている】

タイトルに『青春の』とあるように単なる殺人者の話ではなく、青春映画である。

大人に理解されない、モヤモヤした気持ちをどう発散していいかわからない、深く考えずに短絡的な行動を取ってしまう、それら青春の要素を全て抱え、主人公、順(水谷豊)はその行き場を殺人と言う形で実現してしまう。

そして決して頭がいいタイプではないが、純真無垢で幼さが残るのに何処か女性的エロチシズムを感じさせる、順の彼女ケイ子(原田美枝子)。

順が犯した殺人から場当たり的に逃れる順とケイ子。しかし世間は彼らの逃避行にも真摯に向き合っていないよう。

青春の悩みなど世の中から見ればいかにちっぽけなモノなのか。殺人を犯しているのに。なんて刹那的。

映画としてはちょっと荒削りのところもあるけどそれも含めてATG作品の素晴らしさ、という事で。

水谷豊と原田美枝子はTV版の『探偵物語』でも兄妹としてゲスト出演しているが、その時の二人もいい。

この作品の原田美枝子は17歳だったんですって。17歳でこのビジュアルですよ!完璧じゃないですか。歳を重ねた今の原田美枝子さんも好きだし女優としても好きです。
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