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アプローズ、アプローズ! 囚人たちの大舞台のmiiのレビュー・感想・評価

3.8
クイーンズ·オブ·フィールドでは 女性相手にサッカーのコーチを務めたカド・メラッド。
今度は服役囚の矯正プログラムとして
彼らの演劇の講師となったエチエンヌ。
彼は売れない俳優。

受刑者たちは出所を待つ日々。
それと重ねて 不条理劇である「ゴドーを待ちながら(サミュエル・ベケット)」の演目を選ぶ。
この選択が もはや成功していたね!

そして 「ゴドーを待ちながら」の内容を知る知らないで鑑賞すると
味わいが違ってくるかも。

実際にもスウェーデンの俳優ヤン・ジョンソンが体験した実話ベースである作品とはね。
驚きです。

彼らの舞台が評判を呼び
エチエンヌの憧れの劇場であったパリ オデオン座場で
服役囚が演劇のお披露目をする事になるが
とんだハプニングが起こる。

舞台で拍手喝采の称賛を浴びても
終われば刑務所に戻らねばならない。
そのギャップを繰り返せば 不条理を痛く感じて
自由を欲するのも分かるような気もする。
そんな彼らが皮肉にも演じたのが「ゴドーを待ちながら」ですからね。
彼らは待つ事をやめる選択をしたわけです。

彼らのそのような側面と
まさかのエチエンヌが 夢を実現してしまうラスト。
なんという皮肉というか滑稽な事か!
あの選択は 彼らからのお礼の気持ちと捉える事も出来るね。

そして拍手を贈る観客は 演目を知った上でのアプローズ!だったのでしょうね。
洒落てますわ!
その後は大変だったでしょうけどねw
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