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スパイの妻の3104のレビュー・感想・評価

スパイの妻(2020年製作の映画)
3.9
黒沢作品に今も昔も漂う「作り物・贋作っぽさ」に、ストーリーとキャスト(特に高橋一生と東出昌大)の醸し出す空気がうまくマッチ。いやたまたまマッチした訳では決してないだろうけれど。

元がTVドラマ、弟子筋が書いた脚本・・等の要素が映画自体を揺り動かしたり。その脚本の影響か、ところどころの展開や科白の反復・往復・再構築が効いていて、〜特に中盤から後半は〜映画として単に点数が高いだけでなく、“黒沢作品”でありながらも“黒沢作品からの脱出”が感じられなくもない。

最終盤のパートは個人的には蛇足かと。砂浜を走るシーンは、まるでモンティ・パイソンのオープニング(It'sのやつ)かと思ってしまった。まぁそれは冗談として、最後は高橋も東出も登場せず実質蒼井優だけというのもあり、それまでのテイストからかけ離れて「生臭さ」がしてしまうのだ。
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