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スネーキーモンキー/蛇拳のmatchypotterのレビュー・感想・評価

スネーキーモンキー/蛇拳(1976年製作の映画)
3.7
ブルースリー続きだったので『燃えよドラゴン』の前に再びジャッキーチェンのやや初期『蛇拳』。

これは初めて観た。
そしたらかなりこの後の『酔拳』の起源的な作品だった。
キャストも筋書きもかなり近い。

この瓢箪持ったほろ酔いの放浪じいさん。飄々としているが、かなりの達人。
彼が『酔拳』の時同様、ジャッキーの転機にかなり関与する。師弟愛というのか、絆というか、ジャッキーの成長を見守る親代わりのような。

この変で偶然の出会いが彼と『蛇拳』伝承の命運を握る話に。

孤児として身寄りもなく、拾われたカンフー道場で師範代にいびられ、こき使われ、稽古台のサンドバック状態。
その不憫さを垣間見てしまった瓢箪じいさん。
とても優しくじいさんに対して色々気遣って世話を焼いてくれる優しい青年のその状況を見て、、、彼に伝授することを決める。

、、、“蛇形拳”、を。

“鷹形拳”と“蛇形拳”の2大流派の存亡を賭けた戦いが幕を開ける。
冒頭から流派のトップ同士の激突。いきなりフルスピードのテンションマックス。
この断崖絶壁、どっかで観たことあるな。

ジャッキーの成長とユーモアとアクションのセンス。もう既に仕上がっている。
ゴリゴリで沸々とした怒りが原動力で圧倒的な存在感のブルースリーとは違うスピード感と笑いのセンスとキャラクター。

軽快なフットワークと人間臭さ。
弱さを知り、無力さを知り、底辺を知るからこそ生まれる屈託のない純粋さから生まれる速さと強さ。

カンフーアクションとしての技やダイナミックさだけではなく、ジャッキーから放たれるエネルギーというのか、彼から“充実感”みたいなものが伝わってくる。

この“蛇形拳”は観たら一度は鏡に向かってモノマネしたくなるやつ。だけど、絶対にここまで強そうにマネできないやつ。
“蛇”“鷹”“龍”“虎”“蝙蝠”、“酔”もあるが、生き物系の流派だけでもたくさんある。

このそれぞれがそれらしく見える妙。中国の武術、恐るべし。

瓢箪じいさんから“蛇”を受け継ぎ、さらに進化を遂げるジャッキーの“蛇”。

猫とコブラの戦いはなかなか見もの。
そして、後半に唐突に謎の“ロシア”刺客。まさか、そこが伏線だったとは。

王道の流派同士の戦いから、ジャッキーの成長物語に転じつつ、ジャッキー以外も見せ場がそれぞれあり、楽しめるポイントが多い。

いわゆるカンフー映画はもうすでに70年代に完成していた。
この2人の笑いあり、カンフーありのコンビネーション、最高。

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TSUTAYA DISCAS運営の映画コミュニティサイト「Discover us」にて同アカウント名でコラムニストをさせて頂くことになりました。
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別視点で色々映画について書いていこうと思います!ご興味ある方は是非お待ちしております!
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