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スパイダーマン:アクロス・ザ・スパイダーバースのKentaCのレビュー・感想・評価

4.3
シリーズ第2作で、前作でスパイダーマンを継承した高校生マイルスが、共に戦ったグウェンと再会し、彼女が所属する、マルチバースのスパイダーマンたちで構成された組織と関わることになる物語。

まさか、あの傑作の第1作を超えてくるとは…!というほどの大傑作でした…今すぐ第3作を観せてくださいお願いします状態。

前作で衝撃を受けた革新的3DCGカートゥーンアニメの映像表現は更なる超絶進化を遂げていて、あらゆる質と位相の映像が脳がバグるほどの密度で洪水のように提供され続ける、なかなか筆舌に尽くしがたい体験をさせてくれる映画でした。
当然、観ているうちにその凄さにも一定慣れてはくるのですが、ふと冷静に見てみたら、なんだこの凄まじい背景は、表現は、色使いは、2次元と3次元の融合具合は…と、こちらの理解が全然追いついてないのではと思わされるくらいの圧倒的クオリティとなっています。

そしてその凄まじい映像美に、
・今までの「スパイダーマン」というコンテンツが積み重ねてきた歴史自体をメタ的に運命論として落とし込むトリッキーさ
・マルチバースという世界観だからこそ違和感なく描ける、思春期のセカイ系的な切り口
・自分と、そして家族とどう向き合うか、というアイデンティティと家族愛のテーマをド直球で描く王道さ

…それら全ての要素を高水準で融合させる離れ業をやってのけていて、
もう端的に言うと「スゴイ」に集約されてしまう、とにかくスゴイ作品でした。
これは是非、映画館で体感しましょう。
全員姿が異なる数百人のスパイダーマンたちが入り乱れる姿は圧巻です。

いきなり本作から観るのもありはありですが、物語としての繋がり、そして映像面での進化も含めて、是非前作『スパイダーマン:スパイダーバース』からをオススメします。
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