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スパイダーマン:アクロス・ザ・スパイダーバースのkamioriのネタバレレビュー・内容・結末

5.0

このレビューはネタバレを含みます

 面白すぎでしょ! どうやったらこんな作品がつくれてしまうのか?? 現代エンターテイメントのてっぺんだと思います!
 社会の規範を破り、自らが望む結末を掴み取りにいく展開はベタではあるけれど、演出も含めて爽快に感じられた。特にマイルズがスパイダーソサエティを抜け出すまでの逃避行は本当にワクワクした。アニメの本質が全部詰まっていると思いました。
 さらにそこから、テレポートした世界が別世界だったという逆転や、敬愛する叔父との再会、ダークサイドに落ちた別次元の自分との邂逅など、予想を裏切る展開が一気に畳み掛けてくる。
 極め付けはマイルスの叛逆に呼応したグウェンのレジスタンスの立ち上げ。冒頭のバンドの脱退のくだりと見事な対比になっていて、震えました。
 バトルシーンの素晴らしさはわたしのボキャブラリーでは表現しきれませんが、とにかくクールだった。一つのシーンの中で膨大な工夫がされていて、アニメーターの方々の仕事に敬服しかありません。突然実写になったり、レゴになったりしますが、あの数十秒のためだけにどれだけの時間と労力が費やされているのだろう…。
 前作に続いて笑いのセンスも絶妙だった。一つ一つのボケがクスッと笑えるけど、くどくど続けることはなく、物語の速度を損なわないように最新の注意が払われている。「顔にウェブでも付いてる?」というスパイダーソサエティらしい小ボケが個人的にはツボ笑。
 新キャラもそれぞれキャラが立っている。ミゲルはヒーローとは思えないくらい目が死んでるのがよかった笑。インディアやパンクはベタな感じがするけど、これくらい振り切ってるほうが物語にはあってる。ただ、スパイダーキャットはあざとすぎる。笑
 新キャラではないけど、親バカとして生まれ変わった中年ピーターには癒されました。親子というテーマは今後の作品のなかでも重要になってきそうですね。
 劇伴もずっとかっこよかったです。何もかもセンス良すぎてずるい。
 いまから後半が楽しみでなりません!

2023年21本目
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