MasterYu

スパイダーマン:アクロス・ザ・スパイダーバースのMasterYuのレビュー・感想・評価

4.0
ブルックリンの治安を守るスパイダーマンとして活動するマイルス・モラレス。
しかし、スパイダーマンであるが故に両親との意思疎通が図れず、遂には外出禁止を言い渡されてしまう。
仕方がなく部屋に籠ったマイルスであったが、突然目の前にポータルが開き、思い焦がれていたスパイダーグウェンが姿を見せて・・・。

Dolby-ATMOS字幕版。

2019年劇場鑑賞した「スパイダーマン:スパイダーバース」における新たなアプローチで展開されたCGアニメーションの表現は衝撃的で、例えば「マトリックス」を観た当時、CGでこんな演出表現ができるんだと感動したわけですけど、前作はそれと同じ感覚を味わったのでした。
で、そんなインパクト大の作品の続編故に、あまりハードルを上げずに臨んだのですが・・・。
前作から更に一段上がったと感じさせる演出表現で、正直まだこんなに表現の引き出しがあったのかと驚き。
各バースのデザインも違いが鮮明で、グラフィカルなグウェン・ステーシーの世界、曼荼羅タッチのパヴィトルの世界(ムンバッタン)、パンクイズムなスパイダー・パンクの世界、洗練され無機質なヌエバ・ヨークと、その背景も含め観ていて楽しい。

小者に見えたヴィランが力を得て、マルチバースに合わせて脅威になっていく構成は面白いし、映画、コミック、アニメに触れてきた人なら分かる、どのスパイダーマンにも必ず起きるバッドエピソードが、スパイダーマンの運命であり、そのイベントを迎えることで世界のバランスが整えられるという解釈には納得。
が、本作のマイルスに限らず、私が観てきたスパイディたちは、それが起こると知っていて助けようとしないなんて選択はしないとは思いますが。

とりあえず前後編の作品ということで、続きはまた来年(2024年)とか。
オープニングでバンドを辞めたグウェンが、最後はマイルスを助けるために仲間を集め「バンド」を組む。最高にテンションを上げておいて、待たされるのは辛いですねぇ。
MasterYu

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