アニメーション表現のレベルを何段か押し上げた名作「INTO THE SPIDER-VERSE」に続く「スパイダーバース」三部作の第二弾。
これはネタバレじゃないはずなんで前提として触れとくと終わり方としては「次作へ続く」、つまり本作で展開されるすべては回収、完結しません。
なのでシリーズものとしてはよくある単体として評価しづらい類の作品ではあるのですが、これはもう次がどうなろうが、というか次どうなるか気になってしょうがない&期待感でブチ上がりまくる大傑作だと断言していいでしょう!
こんなの「インフィニティ・ウォー」以来?とか三部作の真ん中って意味では「帝国の逆襲」級なんてありがちな比較がつい口に出るのは、未見の向きに対していくらハードル上げても大丈夫という信頼度の高さと捉えていただければ。
前作での革新性が遥か遠くに思えるほどの映像表現の芸術性及び先進性については実際に体感してもらうしかないとして、そんなぶっちぎったヴィジュアルの絨毯爆撃と同時に、きっちり明快かつ深みのあるストーリーテリングを放り込んでくる、このあたりの手管はもはやどうなってんのかわからん領域。
アニメ弱者としてはなんなら視覚ショック以上に刺さるマイルス、そしてグウェンを巡る「居場所」の物語は、各キャラクターによる恐るべき精緻さの「演技」によって圧倒的な説得力で迫ってくる。
そこも含めこれはもうアニメとか実写云々を超越した「超アニメ」とでも言うべきものになってしまっているなんて浅薄ながら思いました。
にしてもフランチャイズやヒットメイカー監督の作品が年間興収ランキングで上位独占して久しいアニメ大国の我が国なのに、本作がこのタイミングで結構劇場空いてるってのはどうなの?なんて映画好きとしては余計なぼやきが出ちゃいますな。
まあそんなことはともかくグウェンのバンドメタファーにこれ以上ないほどエンパワーメントされる、現時点での本年度ベストの必見映画です!
何度でも観るけど、早く続きを!!