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はりぼてのFOILのネタバレレビュー・内容・結末

はりぼて(2020年製作の映画)
4.7

このレビューはネタバレを含みます

黒っぽいポスターからのダークで古めかしい印象よりは
映画自体はキャッチーなコメディ調で見やすかった

半沢直樹に感動した人には見てもらいたいなぁと個人的に思った
半沢直樹みたいに見た後にスッキリする話ではなく、モヤモヤする作品だけど、地方とか国の政治について考えさせられる考え続けるキッカケになるいいモヤモヤだと思った

映画鑑賞後にミニシアターの壁に貼られたこの映画についての雑誌や新聞の記事を全部読み、パンフレットも購入した

冒頭とエンドシーンが反復の円環構造っぽかった
カラスが不正を行なう議員で、注意喚起の看板がこの映画で、カラスに餌をあげてしまうのがメディアや市民の比喩かなと思った
上記の部分が映画的技法だなぁと感じた

議員達が自宅でテレビ局の取材に受け答えしているのが、地方だとそんなものなのかなと思った
ワイドショーで見ると取材に対して受け答えせずにスルーする人の方が多かったのでちょい疑問だった
森友の時の佐川宣寿とか安倍晋三に比べて、この映画の不正議員はまだ血の通っている感じがあった、どこか自分と同じ弱く周りに流されてしまう憎みきれない部分があった、まぁどのみち許しちゃいけないんですけどね

国と違って情報開示しても黒塗りではない情報が出てくる地方だからこそできたからできた不正追及かなぁと思った
不正を追及されて議員は最初のうちは、謝罪して辞任していたのに、途中から謝罪しても辞任しなくなり、それらの議員は再選されてしまうことが恐ろしいと感じた
今の政府は基本謝罪しないし、謝罪しても世間的になあなあで流れる、流されてしまう感じを思い出してモヤモヤした
甘利UR森友加計さくら河井とかの不正に対しても真相はうやむやなままになっていることとのリンクを感じてしまった

「はりぼて」とは不正を行なった地方議員だけではなく、その地方議員を見張り投票すべき市民や不正を追及するメディアをも含めた比喩でもあると記事には書いていてなるほどだった
人のふり見て我がふり直せを実感した映画だった

引退するまで市議会の不正についてコメントする立場ないと言い続けた無責任な市長には終始イライラしたけど、この人も市長選とかで再選してんのかなと思ってモヤモヤしてしまった

映画の終盤の唐突な展開にもモヤモヤしたけど、そのおかげでもっと知りたいと思えて、記事とかパンフレットを見て補完できたのでよかった
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