えむ

マイ・バッハ 不屈のピアニストのえむのレビュー・感想・評価

3.6
リオオリンピックの開会式での障害を抱えながらの演奏で話題になった音楽家、の実話ストーリーだそうだけれど、なかなか凄いものを観た。

天才的な才能を持ちながら、若くして事故にあい、そこからはひとつ障害を負う度に不屈の精神で、残されたものから道を拓き、またひとつ閉ざされては次の道を拓く…その繰り返しで、最後にはブラジルの若者たちへの音楽の門をひらくまでになる。凄いな。

まさに、途中で何度か出てくる
「芸術への執着は破滅的な探求」
を体現する人生です。
人生や体をぶっ壊しながら、次の音楽に向かってく不屈の精神。


しかし、序盤は姿勢や表情の硬さと超絶技巧が過ぎて、ずっとピアノ弾くというよりタイプライターを狂ったように叩いてるように見えて人間ぽさが感じられず、ロボなのか?と思うほど。
ボヤっと見てると、ドイツやヨーロッパ系の人かなって思うかも。

それが、急に公園でサッカーやってる人に食いついてニコニコで、よかったこの人も人間だった、そうかブラジル人の普通の若者だったよ、…と安心したと同時に最初の大事故が起こって人生ひっくり返ったのがなんとも皮肉でした。

その後もトラブルの元が大抵女とかなのがね…ある意味パッションの方向性がとても分かりやすい。笑

でもツッコミ所は多々あれど、最後は良い話だった凄い人じゃん、で終わるので、やはり天才のやることははかりしれない…と凡人の私は思うのでした。
えむ

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