あっさりゆで卵

夏への扉 ―キミのいる未来へ―のあっさりゆで卵のレビュー・感想・評価

3.0
1958年に発表されたロバート・A・ハインラインの傑作古典SF『夏への扉』を原作とした作品。

原作を読んだ上で鑑賞しました。

まず、冒頭のTVのニュースを織り交ぜ、本作の舞台となる日本が現実とは異なるパラレルワールドである事をスムーズに紹介するところはめちゃくちゃよかったです。
また、本作オリジナル展開の藤木直人演じるピートとのロードムービー謎解きパートも楽しかった!

ただ、ピートの存在によって卵が先か鶏が先かみたいな問題が浮上しているのは否めないです。
それに原作にもあったダメな要素、ルッキズムだったり、そのままやるんだとさすがにちょっと引いてしまって。今、映画化するのであれば多少変更した方がよかったと思います。

かなり説明してくれるので、非常にわかりやすい作りになっていた半面、元々あったご都合主義な設定が顕著になっていたような気がしないでもないです。

見やすい映画ではありますが、その分細かい所が気になる作品でした。
というか自分は福島正実の訳が好きなんだな。