カレン

嵐ケ丘/嵐が丘のカレンのレビュー・感想・評価

嵐ケ丘/嵐が丘(1939年製作の映画)
4.0
中高生時代に読んだ、近代文学をもう一度

「嵐が丘」
映画化は複数回されているが
さてどれがいいのやら

ローレンスオリヴィエ版
う〜ん古すぎ

レイフファインズ版
レイフさん
最近のイメージが強すぎる

トムハーディ版
え〜っ!
主役はジプシーなのに
トムは、めちゃ白人ぽい

てなわけでやはり元祖
ローレンス版にしました。

ヨークシャーの荒野で繰り広げられたヒースクリフとキャサリンの恋物語

原作は親子二代に渡る長い物語だが、映画は一代で完結
時間の関係でそれは無理はないが、消化不良は否めない

物語は
嵐が丘のご主人が旅先から
一人の薄汚れた色の黒い少年を連れ帰るところから始まる。
おどおどした野良犬のような目をしたジプシーの少年
(ジプシーは今では差別用語ですが、ここではあえて使っています)

この冒頭の部分を読んだだけで、かつての私の胸は…ドッキンドキドキ!
何か起きるぞ!良からぬことが!
予想は見事的中!
なんであんな子、拾ってくるのよ〜
ご主人、人が良すぎ

ヒースクリフとキャサリンが
無邪気に遊んだあのとき
そして狂おしい愛
世間の常識と、胸の奥に消えない思いの板挟み
拒絶しながらも求める愛
行き過ぎた愛、妄執と言おうか
なんと言おうか
ドロドロドロ

しかし2時間足らずの映画ではどうしても心の葛藤が描ききれないもどかしさ
でもそれは仕方のないことかもしれない

ローレンスさんのギラギラした瞳は充分に狂おしい愛やそして煮えたぎる恨みを表現していたから良しとしよう

まるで舞台劇でも観ているような展開で見応えはありました。

作者エミリーブロンテの姉シャーロットは原作を読んで
「ヒースクリフは獣だ」と言ったらしい。
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