最近のニコラス・ケイジ作品の中では、久しぶりの高スコアなので気になって鑑賞したが…なんじゃこりゃと言いたくなる面白さが。
ガチガチのB級映画だが、ぶっ飛んだストーリーと、ニコラス・ケイジのぶっ飛んだポパイ演出が上手くハマっていて想像以上に楽しめた。若い人はポパイ知らないかも知れないけど、気になったらほうれん草を食べるポパイを調べて下さい。
子供達やその親が沢山の着ぐるみ達と楽しそうに誕生日を祝っている映像がテレビに映し出される中、可愛い同じTシャツを着た男女が恐怖に怯え何者かに襲われる。そこには隠れるようにして怯える幼い女の子が…
ニコラス・ケイジが演じる謎の男は、青いスポーツカー カマロで猛然と走っていると、警察が使う鋲の付いた車止めを踏みパンクしてしまう。車を停車し車止めをトランクに入れると、パンチと書かれたエナジードリンクらしき飲料を飲み干し、その場に立ち尽くす。するとそこに修理工 ジェドのキャリアカーが現れカマロと男を乗せると、ジェドは保安官の車止めが盗まれた話や、色々な事をまくし立てる様に話すが、謎の男は黙って聞いていた。
怒りに満ちた表情の少女リズは、ウィリーズワンダーランドと描かれたアトラクション施設に可燃物を撒き火をつけようとしたが、母親らしき保安官に捕まり自宅に軟禁されてしまう。
ジェドと謎の男は修理工場に到着し、ジェドが車修理の高額見積もりを伝えると男はカードを差し出すが、ジェドは現金前払いだと言い、更に街のATMはネット環境の悪さから使えない事を知らされる。そこでジェドが提案したのは、テックスの所有するウィリーズワンダーランドを一日清掃する事で、テックスが修理費を肩代わりすると言う話しだった。謎の男はただ頷くと、ウィリーズワンダーランドに連れて行かれるが、壁には'子供殺し'や'地獄の門'と言う沢山の落書きが…。
テックスから建物内を案内され色々な説明を受けるが、中には8体の気味の悪い薄汚れた着ぐるみ人形が。謎の男は無言のまま沢山のパンチ飲料を持込み、従業員が着る可愛いTシャツを着て、手際よく荒れ果てた室内の掃除を始めるのだが、そこには恐ろしい曰くが…そこにリズや若者達が現れるのだが…。
B級映画が嫌いなら中々受け付けられない作品だが、個人的にはぶっ飛びストーリーがハマりとても楽しめた。
アクション、ホラー、コメディ展開が、全てシュールなので何とも言えない味のある作品だが、何と言ってもニコラス・ケイジの謎の男が、最高に味があって良かった。セリフが全く無いと言う寡黙な渋い役どころなのだが、そんなカッコ良く決めるニコラス・ケイジが、決まったルーティンをこなし、可愛いTシャツを着て、職人の如くひたすら掃除をし、そこに暴力につぐ暴力は観ていて爽快でも有り痛快で、更に笑いも誘うと言う混沌とした展開がとても楽しめた。
チープなグロと、しょうもないエロ、カメラワークだけのアクションが、世界観を更に混沌としていて、一層B級感を醸し出していたのが面白かった。その上、馬鹿馬鹿しいストーリーが分かりやすく展開して行くので作品としての面白さも感じられたのが良かった。シュールなラストも嫌いではなかった。
ホラー要素は有るが、怖い系苦手な人でも問題無く見れるかと。ただ薄汚いとは言え着ぐるみが悲惨な状況になったり、チープとは言え血飛沫や若干のグロがあるので、グロ系嫌いな人は注意した方がいいかも。
爆笑とはいかないが、ひたすら苦笑いと、ほくそ笑んでしまうB級映画なので、興味があって時間を無駄にして良いなら是非。