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もう終わりにしよう。のBaadのレビュー・感想・評価

もう終わりにしよう。(2020年製作の映画)
2.5
『マルコビッチの穴』を見て結構懲りて、この監督の関わっている映画は興味を少し惹かれつつも避けていたのですが、たまたま流れてきたツィッターの投稿を読んで面白そうだと思い見ました。

ネタバレ状態で見たわけですが、最後まで見ると、その辺は気にしなくてもいいんじゃないかと思い、さらに細かい部分も気になったので原作の翻訳も今読んでいます。

映画だけ見た時点での気になる部分は、『オクラホマ!』*の話題やモチーフが頻繁に出てくるところと、語り手である彼女を演じる女優さんの演技が面白いなあ、というあたり。

動きの少ない部分で最後にいきなり動きが出てくるんですが、その部分でミュージカルはいいんですが、ダンスが謎だなあ、と。

ラストはともかくラストの直前の部分が謎だらけ(というか失敗しているように見える。)

そういうことはともかく、世の中の片隅にこんな感じで生きている人って、実は結構いるんじゃないかと思うんだけれど、それに対する眼差しが突き放したものであるのが気になりました。

『マルコビッチの穴』と似たテーマなのに、よりシンプルで分かりやすいのはいいですね。

暫定的にスコアつけておきますが、原作を読んだらさらに書き足すと思うのでスコアも大幅に変わるかもしれません。

******
う〜ん、これは映画にして見せるための改変があんまりうまくいっていませんね。

『オクラホマ!』もイジメも社会的敗者に対する監督の突き放した眼差しも原作にはなく、加えられた部分がそのまま自分はこうありたくないという監督の恐れを表しているみたいですが、話が若干違うものになっている上に、やや攻撃的な話になりすぎな気がします。

あと、原作ですごく有効だと思った二つの設定が使われていないのが勿体無い。(アレルギーとジェイクの学歴)

原作の映画化としてのスコアは無しでもいいような気もしますが、オリジナルの映画として考えると主演女優さんの造形が良かったので、このくらいかな?

映画単独では見ない方が良い作品だと思うし、できれば翻訳でない原作と一緒に見たい映画です。

*作中のミュージカルのタイトルを勘違いしていたので訂正しました。
『オクラホマ!』に関してはこのリンクが参考になりました。
https://precious.jp/articles/-/10906
(少しネタバレ注意)
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