【誰にもわかってもらえない、
そういう奴らの想いはどこへいくと思う?】
優しい映画だとは思えなかった。
良い意味で厭な映画だとは思えなかった。
引きこもりの妹。
親友の恋人を好きな姉。
彼氏の携帯に位置情報アプリを入れる友達。
茶髪でチャラい 寺の跡取り息子。
誰にも言えないものを抱えた人々。
それは観客にも明示されることはない。
不思議と特に言及されたりしない。
ほんの一言二言しか台詞のない人物も同じだ。
「あの子とヤレるかなあ。」
「え?どっちの?」
恐らく後者のキャラは「殺る」趣味があるのだろう。
それ以上掘り下げられる事はないから想像するしかないけど。
そういう人々が「コトリバコ」を通して
“わかりあう共通の仲間”になり
その魂は樹海へ辿り着く、、、
それを描きたいのはわかる。
…しかしあまりに軽い。
ほぼ台詞のないキャラの殺人趣味を抱える魂の行方なんて興味無いし、勝手に樹海の中を彷徨ってろってカンジ。
アウトサイダーに寄り添う優しそうな風体だけ整えて中身はカラッポ。
心の隙間をつく厭な映画には到達出来ていない。
「厭」
① いやだと思って避ける。
② つらいこの世を避け離れる。
③ いたわる。かばう。大事にする。
…ただ、たぶん違うけど
寄り添えていないことによってこの映画のテーマを体現していたのだとしたらすごく深い映画だなと思う。
真相は樹海の中。