FutosiSaito

海辺の彼女たちのFutosiSaitoのレビュー・感想・評価

海辺の彼女たち(2020年製作の映画)
4.0
 何が起こるかわからない緊張感と、どう悪化するかという不安がずっと続くので、100分程度の上映時間だが疲れはあった。
 この映画の公開が5月1日で、5月25日に新潟県で「技能実習生のベトナム人6人保護」というニュースがあった。
 報じた『新潟日報』の記事によると「厚生労働省によると、技能実習生は2020年10月末時点で全国で40万2356人。」だという。
 新潟の件では残業が160時間になったり、時給500円のこともあったという。同一労働同一賃金ではないのか。
 何よりも、実習生をやめる(失踪する)と「不法就労」になり人権が保障されなくなるので、身分もなく、従って医療保険も受けられず、公共サービスが享受できない。
 劇伴音楽もなく、長回しによる映像は重々しく、心に訴えてくる。
 監督の周囲で見聞きしたこと、インタビューしたことを映画にしたので、実に真に迫っている。

 日本人でない者に冷たいということは、日本人にも冷たいということだ。その現実も感じた。
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