こういう職場なら、病気の説明も症状のことも話さなくても、思いやってもらえる。よけいな「忖度」も過度な遠慮もない環境が、人を変えていく。
それを淡々と描いているのがよかった。
そして過剰なドラマのなさ。主役二人が恋愛にも陥らず、ようやく自転車に乗っても事故が起こらない。
盛り上げるドラマに慣れてしまった我々観客は、アパートのシーンや、自転車のシーンにハラハラするのだが、とりわけ何も起きない。
お互いを理解しようとする、その関係だけでいい。
相手を思いやろうとする、それだけでいい。
プラネタリウムのシーンへと向かい、題名の由来もわかり、じわじわと感動が来た。静かだが、心地よい終わりかただった。