FutosiSaitoさんの映画レビュー・感想・評価

FutosiSaito

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映画(669)
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ヘレディタリー/継承(2018年製作の映画)

4.0

 才能の塊が、音や映像でびっくりさせるのではなく、展開や緻密な設定でじわじわくる怖さを創造した。
 様々な伏線が回収されていく脚本(もちろん監督が書いた)も見事だ。
 インタビューで述べているとおり、
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リチャード・ジュエル(2019年製作の映画)

3.9

 静かなる告発映画。マルパソプロダクション最高。
 クリント・イーストウッドを語るとき、必ず触れないといけないのは、インディーズであることだ。
 自らの「マルパソプロダクション」によって制作をする。だ
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フォードvsフェラーリ(2019年製作の映画)

4.0

 日曜劇場のような企業根性ものでない、もっと「クールで熱い」物語なのがよかった。
 チームワークも個人の活かし方ももっとクールでじめじめしていない。
 クリスチャン・ベイルがまたいい仕事をしている。も
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ジョジョ・ラビット(2019年製作の映画)

3.9

 監督も自由だし、キャストも自由にできるんだという映画。
 ヒットを宿命付けられたマーベルユニバースの監督に抜擢され、ユニバースという制約や、万人に受けるものという制約などに縛られていたワイティティ監
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親切なクムジャさん(2005年製作の映画)

4.1

 想像を超えた、バイオレンス復讐(と贖罪)コメディ。
 あらゆる意味で、先入観を超えてくる。どう分類していいいのかわからないジャンルも、えーこうなるのかという展開も何もかもだ。
 冒頭から、クムジャさ
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パラサイト 半地下の家族(2019年製作の映画)

4.0

 ファンタジーのない『万引き家族』。
 そして、同じ半地下室でも『天気の子』とは大違いだ。リアルな半地下とは、こういうところだと言わんばかりの描写力だ。
 大雨や洪水の描写に関してもしかり。それは綺麗
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菊とギロチン(2016年製作の映画)

3.6

 青春群像、テロリストというより「アナキスト」だけど。
 女相撲に、アナキスト集団である「ギロチン社」をかけ合わせる瀬々監督のセンスは凄い。
 古代からの神事だから土俵は女人禁制だというのは、あと付け
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ルパン三世 THE FIRST(2019年製作の映画)

3.7

 上映回数が減ったから、厳しい作品かと思ったら、王道のルパンだった。
 寅さんみたいに定番なので、そのツボは押さえないといけないが、リスペクトがたくさん込められていた。
 大人の作風と、大人の峰不二子
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男はつらいよ お帰り 寅さん(2019年製作の映画)

4.0

 本当はそこまで老いていない倍賞千恵子や前田吟らが、『家族はつらいよ』のように年齢なりの姿を演じ、満男のシワも増えた。
 だが、思い出の寅さんの姿は変わらず、いつもみんなの心に生きている。
 TVシリ
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カツベン!(2019年製作の映画)

3.8

 NHK朝のドラマで『ロマンス』では辰巳琢郎と榎木孝明がW主演で、ヒロインは樋口可奈子だった。
 トーキーの時代になると、悪声だったバレンチノなど落ちぶれていく役者と、活動弁士が描かれていた。
 この
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i-新聞記者ドキュメント-(2019年製作の映画)

3.8

 ときに笑いが起こっていたが、笑いごとではない。
 伊藤詩織さんの民事裁判で、元TBS山口被告に賠償命令が出た現在だからよけいに客が入ってもいるが。
 だが、その経緯を追ったドキュメンタリーを題材の一
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のみとり侍(2018年製作の映画)

3.5

 企画優先のお色気優先時代劇かと、高をくくっていたが面白かった。
 阿部寛は画になるし、豊川悦司には艶がある。寺島しのぶには、さらに色気の貫禄さえあるので、この主要キャストだけでも楽しめる。
 「蚤取
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たちあがる女(2018年製作の映画)

3.7

 過激な環境運動は新しいのか、レトロなのか。
 反社会的なのか、しかたのない悪なのか。
 洪水のニュースに、世界の情勢を少しずつつ表して、主人公たちの信念も描いている、

スター・ウォーズ スカイウォーカーの夜明け(2019年製作の映画)

4.1

 みんなが感想を書くだろうから、思い出を綴る。初作『スターウォーズ』は1977年、もちろんガンダムより早い。少年サンデーで撮影中の記事が出たときは『宇宙戦争』だった。
 そして公開。わざわざ船に乗って
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ミート・ザ・フィーブルズ/怒りのヒポポタマス(1989年製作の映画)

4.0

 異色作にもほどがある!これを作りきったスタッフは偉い。
 動物キャラと言えば癒やしだの、かわいいだのというのが常識だが、これは人間の醜い部分の戯画だ。
 徹底して好意的に描こうとしない。
 描写もエ
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パペット 大騒査線 追憶の紫影(2018年製作の映画)

3.6

 予告を観ていたので、とてつもなく下品かと思っていたら、とんでもなく下品なくらいだった。
 でも、パペットはホームレスや社会的弱者、移民や外国人に置き換えられる。そういう意味でも面白い。
 しかし、プ
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ホテル・ムンバイ(2018年製作の映画)

3.9

 テロリストに容赦はない。主人公だから助けるとか、選択もしない。
 それがリアルであり、緊張感を生んでいる。駅や超高級ホテルをターゲットにしたイスラム原理主義テロリストが、あえて自分たちから搾取をした
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永遠に僕のもの(2018年製作の映画)

3.7

 「息をするように人を殺す」犯罪を犯す、という言い方はあるが、この主人公のスイッチはもっと軽く入る。
 この作品は、どう評価するかによってその評価する人間の嗜好や考えを晒してしまう映画だ。
 まず、主
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THE INFORMER/三秒間の死角(2019年製作の映画)

3.6

タランティーノ監督『イングロリアス・バスターズ』でメジャーになった頃は「お嬢さん」然としたかわいい娘だったのが、このところアイパッチしたりで妙にかっこよくなった、ロザムンド・パイク。
 これはその「
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ファイティング・ファミリー(2019年製作の映画)

3.8

 これは熱い。熱いプロレス映画だ。
 プロレス一家の娘が体を張ってサクセスを目指す。実話だとわかっていても、その先が心配になるし、トライアウトや試合のシーンのたびに、こちらも力が入ってしまう。
 単身
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妻よ薔薇のように 家族はつらいよⅢ(2018年製作の映画)

3.8

 夏川結衣に星ひとつ追加。かつて『夜がまた来る』(石井隆監督)でナミを演じていた頃の、またTVドラマ『結婚できない男』の頃の美しさは忘れられない。
 山田洋次監督もそれを意識してこの題名をつけたのだろ
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ゾンビランド:ダブルタップ(2019年製作の映画)

3.8

 名優の無駄遣いでなく、みんな楽しそうなゾンビ映画。
 特にエマ・ストーン、前作のあとこの10年間でアカデミー賞作品賞『ラ・ラ・ランド』では主演女優賞を、『女王陛下のお気に入り』で助演女優賞を受賞と輝
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イエスタデイ(2019年製作の映画)

4.0

 名作だ。やはりイギリスはロックの国だ。パンクでロック。
 雰囲気が『アバウト・タイム』に似ていると思ったら、脚本がその監督リチャード・カーティスではないか。
 ミュージシャンの映画であり、ビートルズ
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草間彌生∞INFINITY(2018年製作の映画)

4.0

 「凄まじい天才」と、支援者が言うように、草間彌生こそ本当の天才なのだろう。世にいくらでもいる天才と呼ばれる人ではなく。
 このドキュメンタリーは、時系列で草間を捉え、数々の関係者や学者の証言から彼女
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クレヨンしんちゃん ヘンダーランドの大冒険(1996年製作の映画)

4.0

 ファンタジーとは悪夢でホラーもある。その『クレヨンしんちゃん』の「悪夢路線」を定着させたのがこの映画だ。
 ちょっと歪んだキャラクター「ヘンダー」や、ヘンダーランドの造形と色彩や絵柄。
 人を喰った
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ひとよ(2019年製作の映画)

3.8

 白石監督は『孤狼の血』で暴力の極みを描いたが、『凪待ち』で家族に目を向けはじめ、この『ひとよ』に至った。
 家族の再生というより、新しい関係の始まり。
 優等生キャラの鈴木亮平から激情を引き出したり
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「エロ事師たち」より 人類学入門(1966年製作の映画)

3.8

 『神々の深き欲望』を高校の時に深夜放送で観たときには衝撃を受けた。
 何だ、この映画は。というインパクト。
 神話的とかいう言葉も知らなかった頃だ。
 そして、大学時代、オールナイトで『にっぽん昆虫
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金子文子と朴烈/朴烈(パクヨル) 植民地からのアナキスト(2017年製作の映画)

3.9

 知らなかった歴史を知る。異文化に触れるということとともに、これも映画の醍醐味だ。
 関東大震災のときに起きた、朝鮮人虐殺。かの正力松太郎も、この件(アナキスト大杉栄の暗殺)に関わっていた。佐野眞一の
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バッド・ジーニアス 危険な天才たち(2017年製作の映画)

3.9

 韓国映画かつ、痛快エンターテインメントかと思っていたが、いい意味で見事に裏切られた。
 タイ映画で、ほろ苦いというより厳しい現実を反映した内容だったのだ。
 優秀でも、家庭環境など経済格差で名門私立
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麻雀放浪記2020(2019年製作の映画)

3.5

 いろいろチグハグな「迷作」。どうした白石和彌監督。
 上州虎の名古屋章に、ドサ健は鹿賀丈史、女衒の達は加藤健一、そして主役は今や世界の真田広之という、和田誠監督の「名作」『麻雀放浪記』があるので、ど
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ブルーアワーにぶっ飛ばす(2019年製作の映画)

3.9

 渾身の一作。監督の分身、夏帆が道化のシム・ウンギョンと田舎に帰り、いろいろ感じるという物語が、独特のテンポで進む。
 よく、回想を撮れば一本は傑作ができるという。職業も同じだし、田舎も実際に監督の茨
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楽園(2019年製作の映画)

3.8

 重厚。瀬々敬久監督だ、ずっとピンク映画時代から『雷魚』など重厚なものを撮ってきた。
 そこに役者が演技で応える。
 普段はかっこいい役や、ふてぶてしい役(『日本でいちばん悪い奴ら』を演じている綾野剛
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人間失格 太宰治と3人の女たち(2019年製作の映画)

3.0

 フィクションのように堕落したイメージの人生を演じた「破滅型」太宰治をフィクションとして描いている。あくまでもイメージとして。
 太田静子にも、太宰との関係にリアリティはなかったのか。
 それを演じる
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蜜蜂と遠雷(2019年製作の映画)

3.9

 『のだめカンタービレ』は上野樹里が変人ぶりを発揮した作品だった。天才はエキセントリックだという。
 ここに出てくる「選ばれし者」は(風間塵が近いが)それとは違う。コンクールによりお互いを刺激しあって
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ジョン・ウィック:パラベラム(2019年製作の映画)

3.9

 アイディアのてんこ盛り。『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』を地で行く『マトリックス』でのスタントマンだったチャド・スタエルスキ監督とキアヌらが楽しそうにアイディアを出し合っているのが目>>続きを読む

ジョーカー(2019年製作の映画)

4.0

 マーベル・コミックス(MCU)は、アイアンマンに代表されるように「明るく」「楽しい」スペクタクル路線でヒットを飛ばしている。
 DCコミックスは娯楽ヒーロー作品『アクアマン』があるとはいえ、ユニバー
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