FutosiSaitoさんの映画レビュー・感想・評価

FutosiSaito

FutosiSaito

池袋文芸座、大井武蔵野館、銀座並木座にACTミニシアターなど名画座育ち。オールナイトでは、テアトル吉祥寺や浅草東宝などにもお世話になりました。『〜物体X』や『ブレードランナー』などが、その空気感に合ってました。『惑星ソラリス』とかも。
 映画好きなのでスコア甘過ぎ。でも好き。

映画(489)
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ルーム(2015年製作の映画)

3.8

このレビューはネタバレを含みます

 犯人像は特に描かない。そこが凄い。
 実話をもとにした映画だが、重点はむしろ「部屋」を脱出したあとにある。犯人の動機や、犯人の人物像は描こうとしない。
 むしろ、監禁から世界に順応するとはどういうこ
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ジュマンジ/ウェルカム・トゥ・ジャングル(2017年製作の映画)

3.9

 いい年をしたドウェイン=ジョンソン主演なのに、立派に青春してて図らずも感動してしまった。
 ジャック=ブラックのオトメ演技もよかった。
 少年ジャンプのイズム「友情・努力・勝利」をうまく取り込んだス
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アントマン&ワスプ(2018年製作の映画)

3.8

 マーベルというか、ディズニーはしたたかだ。
 どこまで儲けようというのか。あらゆるパターンのヒーローを登場させて、あらゆる層に受けるようにする。
 「アベンジャーズ」ではシビアな戦いを見せ、「スパイ
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ル・コルビュジェとアイリーン 記憶のヴィラ(2015年製作の映画)

3.8

 議論の映画。建築に関する議論に、デザインに関するもの、こういう作品が制作されるということにも感激した。
 また、建築界の巨匠と言われるコルビジェと、インテリアデザインのアイリーンを、伝記として称える
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ナチュラルウーマン(2017年製作の映画)

4.0

 監督は主人公役のダニエラ=ヴェガ(トランスジェンダーの歌手)と話し合いながらこの作品をつくっていった。だから、これはフィクションでありながらたぶんに事実に基づいている。
 特に、主役のマリーナに対す
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神様メール(2015年製作の映画)

3.9

 ブラックコメディなんてもんじゃない、凄い振り切れかただ。
 原題は「新・新約聖書」であり、それが物語をそのまま表している。
 ただ、ここでの神様は暴力おやじで、クズな人間?妻である女神も何もしないし
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薔薇の名前(1986年製作の映画)

4.8

 今までで、最も読んでいて興奮した本。記号学者ウンベルト=エーコによる傑作推理小説で中世キリスト教ミステリーで、その映画化!
 これだけ面白いのに、一緒にその小説について語る人が身近にいなかった。
 
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gifted/ギフテッド(2017年製作の映画)

3.8

 キャプテン・アメリカ、通称「キャップ」。やるじゃないか。
 評判どおりの佳作だ。
 『レインマン』は自閉症スペクトラムでサヴァン症候群、方やこの作品の主人公はギフテッド。
 『レインマン』は施設に入
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ノクターナル・アニマルズ(2016年製作の映画)

3.4

 エイミー=アダムスは『魔法にかけられて』あたりからずっと観ていて好きなんだが、これはどうも……。
 そしてジェイク=ギレンホールも2005年の『ブロークバックマウンテン』から追っかけているが、こっち
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ボルグ/マッケンロー 氷の男と炎の男(2017年製作の映画)

3.8

 氷の男と言われたボルグが実は……という時代があったことや、悪童マッケンローにも父からの確執があったことなど、背景が丁寧に描かれていた。
 スウェーデン映画なのでビヨン=ボルグ中心かというとそうでもな
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続・深夜食堂(2016年製作の映画)

3.8

 現代版、『居酒屋兆治』。向こう傷のあるマスター小林薫のはまり役。
 場末にある深夜しかやっていない食堂に、いろいろな客が訪れそれぞれがワケありの、グランドホテル形式なので物語が作りやすい。
 現代新
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STAND BY ME ドラえもん(2014年製作の映画)

3.8

コンテンツとしての『ドラえもん』のすばらしさ。
タイムマシンで未来から来た、ネコ型ロボット。ダメダメな主人公を「ひみつどうぐ」で助ける。
机の引き出しのタイムマシンといい、4次元ポケットといい、
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バトル・オブ・ザ・セクシーズ(2017年製作の映画)

4.0

 激アツのスポーツものかと思いきや、男女どころか性的指向による差別・偏見との戦いも予感させる作品だった。
 字幕でも「LGBT」でなくちゃんと「LGBTQ」になっていたし。
 Q=クエスチョニングとは
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インクレディブル・ファミリー(2018年製作の映画)

4.0

 実は自衛や自警の意味を問い、いきすぎた正義や強すぎる正義をも考えている「インクレディブルファミリー」の続編。
 カートゥーンの絵柄ながらも、かなり動きのあるシーンやアクションは迫力満点だ。実写のリア
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立ち去った女(2016年製作の映画)

3.8

 凄いものを見た。なんだか。
 ヴィム=ヴェンダース『ことの次第』を思い出したが、こちらはもっと徹底して「逆ハリウッド的」だった。
 カラーでなくモノクロで、ズームやパンやクローズアップなし。効果音も
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人生はシネマティック!(2016年製作の映画)

3.8

 国策映画を撮れと言われ女性脚本家が、ダンケルクの件に取り組む。
 クリストファー=ノーラン監督の『ダンケルク』とも異なる、事実へのアプローチが面白かった。
 女性への偏見や、国策ゆえのプロデューサー
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ミッション:インポッシブル/フォールアウト(2018年製作の映画)

4.0

 トム=クルーズに不可能なし。というより、「危険で不可能なアクション」にますます取り憑かれている。
 危ないほうへ突き進むその姿は「インポッシブル」というより「インセイン」。つまり、どうかしているとい
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希望のかなた(2017年製作の映画)

4.0

 淡々とした描写で、淡々と事実を描くアキ=カウリスマキのシリア難民もの。でも、中身はハリウッド式でもなく、展開も予想通りでないところが、この監督らしくていい。
 カメラも移動しないし、ズームやパンもし
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ビジランテ(2017年製作の映画)

3.8

 『SRサイタマノラッパー』三部作とテレビドラマ版「〜マイクの細道」では、地方の退屈さと、のんびりした雰囲気も描いていた入江監督のノワール。
 三作目の『〜ロードサイドの逃亡者』で、垣間見せていた地方
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レッド・スパロー(2017年製作の映画)

3.7

 突然のヌードシーンにびっくり。脱いでる!
 ハニートラップの訓練から敵を「満足させなさい」とか、いやらしいことを要求されるロシアのスパイという設定をするほうもするほうだが、代役なしで演じるとは。
 
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ハン・ソロ/スター・ウォーズ・ストーリー(2018年製作の映画)

3.8

じゅうぶん面白いではないか。孤高のハン・ソロと巨大なチューバッカの名コンビは、いろんな作品のなかでも、名コンビ中の名コンビだ。
この映画であらためて認識した。ルパンにおける次元大介のようだ。
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勝手にふるえてろ(2017年製作の映画)

4.0

 今をときめく『万引き家族』鑑賞後に見た感想。

 脱いだり叫んだりすれば熱演と言えるのではない、とはこのサイトで主張してきたことだが、そうしていないがこれは熱演だ。
 脳内世界での空想と、リアルな世
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ろんぐ・ぐっどばい 探偵 古井栗之助(2017年製作の映画)

3.6

 フィリップ=マーロウものだけど、ハンフリー=ボガードでなくエリオット=グールド版。ハワード=ホークス監督版でなく、ロバート=アルトマン版。
 それはよくわかる(このサイト『ロング・グッド・バイ』レビ
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未来のミライ(2018年製作の映画)

3.7

 仏壇を拝むとき母がいつも「神様はおらんかもしれんけど、仏様になったご先祖様は本当におったんだよ」と言っていたのを思い出した。
 祖父母、曾祖父母から子々孫々へのつながりの物語。
 だからといって過去
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あゝ、荒野 後篇(2017年製作の映画)

3.9

 脳などにダメージを与えることを目的にするスポーツ、競技人口が少なめなため、勝ち上がるには県内の知り合いを倒さなければならない。
 それができるのがハングリーで、具志堅用高はその意味でもすごかったとは
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あゝ、荒野 前篇(2017年製作の映画)

3.9

 原作では主役がバリカンというところに、寺山修司の意識が現れている。
 ボクシングによって他人と繋がりたいバリカンの心情を、中心に据えたところだ。
 『あしたのジョー』主題歌作詞で知られる寺山は、その
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ワンダー 君は太陽(2017年製作の映画)

3.8

 トリーチャー・コリンズ症候群の主人公が学校に通い、しだいに仲間を得ていくという「あたりまえの」物語。
 弟に親を取られたと感じていた、いい子の姉や、その姉と疎遠になったように見える友達や、主人公の周
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KUBO/クボ 二本の弦の秘密(2016年製作の映画)

3.9

 ある意味わかりやすいストーリーだが、とてつもなく手がかかった人形アニメで、(サムライ)日本を舞台にした時代劇。監督は本物の日本好きだ。
 黒澤明や宮崎駿などの監督をリスペクトして、丁寧に作っているの
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ハイドリヒを撃て!「ナチの野獣」暗殺作戦(2016年製作の映画)

4.1

 銃撃と爆撃は都合よく外れてはくれないというリアル。
 キリアン=マーフィー目当てで見たら、とんでもない良作だった。
 感覚としては『カティンの森』に近い。
 ナチスに領有されることを選んだ(そうせざ
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LOGAN ローガン(2017年製作の映画)

3.6

 もしも……仮定のひとつ。
 不死身のウルヴァリンが死ぬとすればどうなるのか、という映画だった。
 というより17年もの長い間、演じてきた「本人」の希望とあらば叶えるしかなかったのだろう。
 プロフェ
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焼肉ドラゴン(2018年製作の映画)

3.9

 韓国政府が、南北統一を訴える済州島の村々を壊滅した事件を知らないで見るのと、知ってから見るのでは大きく違う。島の人口は、日本に逃れた人も多く28万人が3万人まで激減した。
 これは、小熊英二らの聞き
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パンク侍、斬られて候(2018年製作の映画)

3.9

 「俺はパンク侍だあ!」と主人公が叫ぶシーンがあるが、それは「これはパンク映画だあ!」という宣言だ。
 話はハナから破綻しっぱなしだし、今どきの外来語はしゃべるし、ともかく凄い。リアリズム度外視で、セ
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うる星やつら2 ビューティフル・ドリーマー(1984年製作の映画)

4.1

 アニメーションの、ひとつの傑作でしょう。原作と別物とかは、どうでもいい。
 『ルパン三世』などはとうの昔にこんな改題をやっている。
 夢を題材にした作品としても、歴史に残るべきものだ。
 夢とはどう
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ヒメアノ〜ル(2016年製作の映画)

4.0

 原作は、動機を簡単に「心の闇」とか言えなくなるような衝撃を与えるマンガだったが、これは映画としてまた同じくらいショッキングだ。
 まずはストレートな暴力の凄まじさ。
 そして、サイコパスな森田剛の佇
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密偵(2016年製作の映画)

3.8

 ハ=ジョンウの『暗殺』はサスペンス中心だったが、この映画も両方が日本の占領が生んだ悲劇を描いている。
 こういうことがあったと、未だに作品として表現されているのだ。
 自虐史観とか言う前に、こういう
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デッドプール2(2018年製作の映画)

3.9

何でもあり。ジョン・ランディス監督『ケンタッキー・フライド・ムービー』や山本晋也監督『下落合焼き鳥ムービー』のようだ。
 オープニングタイトルからして「007」だし。
楽屋オチやから、自虐ネタまで
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