引きが多い壮大なスケールの映像だらけ。同じCGに頼ったものでも似通ったアングルが多いなか、これは違う。監督の絵コンテ=イメージが、いかに優れているかということだ。
一方で顔と表情のアップも多い。それがまた、きまっている。砂漠の惑星なのに、明るいトーンを抑えて、暗めにしていることで重厚感を得ている。
安っぽい光線や電子機器を使わずに、肉弾戦や白兵戦中心の戦闘シーンも、壮大な物語にふさわしい。その一方で、かなりのロングショットにより巨大戦艦が砲撃するシーンもある。
スケールの映画だ。
一見、優男(やさおとこ)のティモシー・シャラメも体を張ったアクションで、救世主にのし上がっていく。
大戦をも辞さない権力者に成長していくのが怖いくらいで、これもまたすばらしい。
多くの指摘どおり、スペースオペラのスターウォーズとは対極の、SF神話だ。