ジーハ

ノマドランドのジーハのレビュー・感想・評価

ノマドランド(2020年製作の映画)
3.9
映画を観ながら、
ファーン(フランシス・マクドーマンド)
の行く末じゃなくずっとずっと
自分のことばかり考えてた。

彼女が何かを思い見つめ考える時
先には見たこともない大自然の情景。
そして美しい音楽が奏でられる…
そこには間・余白みたいなものがあって
その余白に自分を置くというか、自身の
思いを埋めながファーンの旅を追っていた。

彼女が旅で出会う人たちの話しに耳を傾
けながらまた自分の色んな思いが巡る。

現代のノマドたち(遊牧民)
色んな身の上、経験をした人達の
過去・現在・未来…夢、理想…?
彼らにとっての理想てなんだろう。
あらゆる事から解き放たれること?
あるがまままに生きる…?
あるがままって…なんだろう?

自分ならどうするだろ。。

「・・・・・・」

まだモザイクをかけてる自分の未来。
直視しないといけない日がいつかくる
…だと改めて悟っただけで、、
何の答えも出るはずもなく

自分ならどうするだろ。。
「・・・・・・」

全編この繰り返しだった(苦笑)

自分の現実を受け入れ、資本主義社会
から距離を置き、苦労が多くても自由と
自分の価値観を守る人生を選んだ彼ら。

その生き方に共感できるかというと、
自分の今を全部放棄する自信はない。
もっと具体的にいうと、不満を感じる
現代社会のサイクルに文句を言えても
ノマドたちのような覚悟はできない。

夫や住み慣れた街…大切なものを失う
辛さを知ったファーンの選択。
物質社会とサヨナラする覚悟を決めた人
ではあるだろうけど、解放された生活の
裏には不安を背負う彼女がまだ同時に色
濃く見え隠れしてた。

新しい人間関係、愛情、定住…
何かを受け入れることに慎重すぎるほど
悩み拒んでいた彼女。

何も所有しないこと。
強いとも言えるけど臆病にも感じた。
まだまだ迷いながらノマドになりきれな
いまま旅を続けている彼女に共鳴する
所はあった。

彼女の旅は始まったばかりだし、
デイブ(デビッド・ストラザーン)の
ように家族の温もりを手放せなくなり
再び彼女は定住を選択するかもしれない。

答えは1つじゃなく複数ある。
迷い迷って元に戻ったていい…

、、とファーンを思いながらも
結局また彼女に自分を投影してた。。

派手な展開や物語があるわけじゃないのに、
知らず知らずに心が揺れ動かされた作品でした。

これ、、
やっぱりオスカー獲るんじゃない?

そんな気がする(笑)
ジーハ

ジーハ