FutosiSaito

ユダ&ブラック・メシア 裏切りの代償のFutosiSaitoのレビュー・感想・評価

3.9
 これが未公開とは。『シカゴ7裁判』のあとに見れば、その意義がわかるし充分におもしろい。ほぼ黒人が中心の映画なのだが意欲作でもあった。
 暴力をも辞さない黒人解放運動の、ブラック・パンサーにFBIのスパイとして潜入する黒人を主人公にしたこの映画は、黒人が白人至上主義のKKKに潜入する映画である『ブラック・クランズマン』の逆バージョンとも言えるだろう。
 だが、こちらはFBIの汚さと薄気味悪さが描かれているし、警察当局の酷さも、怖さもよくわかる。
 マジョリティがマイノリティを排除し責める(攻撃・口撃する)からヘイトなのだが、これはまさに当てはまる。キャスリン・ビグローの『デトロイト』も怖かったが。
 演説のシーンはじめ主役二人の演技も迫力があり、その意味でも社会性でも力作だった。
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