このレビューはネタバレを含みます
事実に基づいたストーリーで、容赦ない結末に打ちのめされる。それでも、歴史や社会を知る上で観るべき一本だと思う。
フライヤーの写真。あのシーンでアイダが見つめる先は、住民を「どこかに」移送して空になって戻ってきたバスの運転手の悲嘆にくれる顔だったのだ。
もうこれで何が起こっているかは十分理解できた。
体育館に集められ「これから映画を見る」と言ってカーテンが閉められ窓から住民に向けられる銃口。その後凄まじい銃撃の音。
あの「大脱走」で脱走者50人が休憩と称して広場に降ろされ、ゲシュタポに機関銃で殺されたあのシーンを彷彿とさせた。
交渉役に選定された民間人女性の目は正しかった。そして無事に生き残れてよかった。
アイダの、家族を守ろうとする行動はややもすると利己的に思えたかもしれないが、自分がその立場になればそうしてたと思う。しかし結果があまりにも残酷。
遺骨となった次男の手をさすって「坊や」と嘆くシーンは胸が押しつぶされそうだった。
8374名でしたっけ。ジェノサイドの犠牲者。同じようなことが今度はアフガニスタンで起きようとしている。
自分に何ができるのだろうか。