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私というパズルのmiiのレビュー・感想・評価

私というパズル(2020年製作の映画)
3.8
10ヶ月間お腹で大事に育ててきて
痛みを乗り越えながら 夫婦二人で立会い出産をする。
そして 産まれてきた我が子の産声を聞き
赤ちゃんを胸に抱きしめて 夫婦で誕生の喜びを噛みしめる···
ここまできて赤ちゃんが亡くなるのは
一番酷かもしれない···

その哀しみと怒りを誰かにぶつけないと 居ても立っても居られない
やり場のない気持ちが伝わってきます。

彼女の母親の気持ちも。
子を産んで育てた経験のある彼女だからこそ
子供を亡くすという事がどれほどの重みなのかが分かるのでしょう。
だから 娘を苦しませている誰かを責めたくなるのかもしれない。
それは 娘を思う愛であるのですけどね。

これは ただただ見守るしかないと思います。
当人の気持ちは計り知れないものであり
外野が口出しはできない。

赤ちゃんはそんな事は望んでいないと 自分で分かった時に
冬の時代が終わり
夏の強い日差しとセミの声 鳥のさえずりが彼女を包みこむ。

「死」を受け入れる事ができて
前に歩き出す事ができた彼女に
幸あれ。
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