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いとみちのoldmanSEヨKのレビュー・感想・評価

いとみち(2020年製作の映画)
5.0
登場人物の殆どが津軽弁で、更に主人公のいとが一番濃い津軽弁。
でも、想像してしたよりは不思議と言わんとしてることが分かった。

いと(駒井蓮)の低い声と津軽弁の訛りが、なんだか韓国映画を観ているような錯覚も覚えた。

めちゃくちゃ訛っている上に、自分の気持ちを言葉にするのが苦手な性格な役でありながら、表情と佇まいで、観ているこちらに気持ちがビンビン伝わってく演技力は素晴らしかった。

このストーリー自体は、もはやスタンダードなジャンルものではあるけれど、なぜかそれとは全く別に、作品全体に溢れていた独特の雰囲気に魅力を感じた。
舞台が青森だからだろうか?
東京だったらもっとアツい感じになってたかもしれない。

父と娘の和解のシーンとか「えっ!そうくるの?」だった。
自分だったら走ってあの場から逃げちゃう(笑)
キホンはいとちゃんは優しいコなんだなぁ〜と関心してしまった。
カーリング映画の『シムソンズ』でも、女の子の優しさを生かした和解のシーンがあるけど、自分の中にはない(出来ない)部分なので、心を鷲掴みされてしまう。

祖母役の西川洋子さん、なんと伝説の高橋竹山の一番弟子というのもびっくり。
フツーの青森のお婆ちゃんの演技も自然だった。

優しすぎるマスターの中島歩も裏がありそうで無いという…不思議な魅力(笑)

意図的ではないのかもしれないけれど(或いは逆に意図的?)、チラシとか予告CMの”女の子ガンバルムービー”という想像から、ちょっと逸れた部分での卓越した人物表現と演技に堪能してしまいました。
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