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いとみちのkyokoのレビュー・感想・評価

いとみち(2020年製作の映画)
4.3
「ふふん、都会育ちにこれが聞き取れるかしらね」と映画館でしょうもない優越感に浸っていた東北生まれの私だけれど、ばっちゃんの津軽弁は濃厚かつ高速で時々おいてきぼりをくらう。でも字幕はつけなくて正解だったと思う。

それにしても、こんなに泣ける映画だと思わなかった。
ばっちゃんとの久しぶりの音合わせや黒川芽以に髪を梳いてもらうシーンで涙腺崩壊。いとが大切な人と気持ちを通わせる場面はすべてが美しく尊い。

苦しみや葛藤をかかえて生きている人たちの優しさに見守られて、いとの静かな熱量が最後の最後で爆発する。
1年でここまで弾けるようになった駒井蓮ちゃん。
本人の努力の集大成のようなライブシーンに胸熱だった。
「わぁのみち」を見つけたいとを見守る岩木山の懐に、母の温もりを感じてまた涙が出た。

主題歌が人間椅子。「みんな聴け!」と言い続けていたシソンヌじろうさんがきっといちばん喜んでる。
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