えむ

ノッティングヒルの洋菓子店のえむのレビュー・感想・評価

3.6
サラの夢のベーカリーオープンの晴れやかな朝
共同経営をする親友、娘、母からそれぞれの応援のメッセージと共にやさしい気持ちで始まったオープニングから一転、突然の事故。

サラの元彼?も加わって、それぞれが彼女を想いながら、時にすれ違ったり反発しながらも、サラの夢を引き継いでベーカリーを作り上げ、軌道に乗せていく。

基本的には予測のつくストーリーではあるものの、そんなサラを取り巻く人々の絆のストーリーだけではなくて、このお店をきっかけにして頑なに避けていたコミュニティに出ていったり、愛する人と出会ったり、隠すようにしていた自分の才能を開花させて自信を取り戻したりするのが良いです。
自分より才能がある人がいたら、遠慮して自分は裏方でいいとか思ってしまうのも、よく分かる。

世界を旅したサラ、試行錯誤のうちに、外から移民してきた人たちの故郷のお菓子がコンセプトのお店になっていくのも良い。
なんというか、お店を通して、サラを取り巻く女性たちが、悲しみと共に内にこもっていたのが、どんどん外に向かって心も視点も開いていくのがとても優しく、ほっこりする映画です。

大事な場面で日本人がキーになるのもちょっとしたギフト感。


比較的わかりやすくありがちなストーリー展開ながらも、やっぱり冬の寒い日になると、優しい映画が見たくなる。
そんな時にちょうど良く、安心して観られるタイプの作品です。
えむ

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