hua

ノッティングヒルの洋菓子店のhuaのネタバレレビュー・内容・結末

3.0

このレビューはネタバレを含みます

大切な人を亡くした世代の違う3人が、その人の想いを引き継ぎ夢を叶え、ロンドンのノッティングヒルに洋菓子店を開き奮闘する話。

コンセプトとしてはそれだけで分かりやすく面白そうだし、『ノッティングヒルの恋人』が大好きだったし、ロンドンの街も大好きだし、自然と期待値が上がってしまったのだが、物足りなさというか、それいる?みたいのだとか、なんとなく消化不良な作品だった。

まず何よりも登場人物の誰もが印象に残らず、全体的に薄過ぎて全く感情移入できず。
恋愛もそれぞれの人間関係もパティシエになる経緯も何もかもが横に伸ばしたように薄くて中途半端。
もう少し長尺になっても、丁寧に掘り下げてほしかった。

オープン当初閑古鳥が鳴いていたお店が、多国籍の街ロンドンならでは、故郷の懐かしいお菓子を作ろうと、そのアイディアがいいのか悪いのか、そんな急に流行るのものなのか。パティシエがよく知らないお菓子を作るというのも、日本の味は抹茶ミルクレープケーキというのもピンとこなかった。

ケーキをカバーなどなくむき出しで置くのもお洒落に見えるけど、衛生面を考えると日本人的にはあり得ない。
すぐに取って食べるくら寿司でさえ一皿一皿ケースに入れているのに。

しかし雰囲気は抜群にいい。
実際ロンドンにあるオットレンギという人気のデリが全面協力したというお店
『Love Sarah』というお店自体は素敵だ。ケーキむき出しだけど…

オットレンギをちょっと調べてみると、その写真がもう声が出ないほど魅力的。
スイーツは映画よりもっと種類が多く、それだけではなくパンや色とりどりのサラダ等が所狭しと並んでいる。むき出しだけど…
そう考えると映画のお店は品数も少なく、逆にちょっと気取っていて入り辛い感じさえしてくる。

まぁ、雰囲気映画と思えば楽しめる部分もあるのかな。

敢えて言えば、中途半端な恋愛要素はいらない。
皆が愛するサラのことがもっと知りたかった。
マシューとクラリッサ本当の親子の方が面白かったのでは…
個人的に好きな要素が詰まっている作品なので、余計に不満も膨らんでしまった。
hua

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