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オクトパスの神秘: 海の賢者は語るのblacknessfallのレビュー・感想・評価

3.7
ヘビ🐍の次はタコ🐙だよ。と言ってもこれは『怪奇!吸血人間スネーク』みたいなズンドコホラーではなく心に沁みるドキュメンタリーだけど。

主人公はドキュメンタリー作家のおじさん、色々あって人生に疲れて鬱状態の時に気晴らしに近所の海でダイビングをして1匹のタコ🐙に出会う。このタコ🐙の生態の不思議に魅了された主人公がタコ🐙との心の交流を通じて心の傷を回復していく過程とタコ🐙の波乱の人生を追った感動のドキュメンタリー🐙

て、書くとなんか動物コメディのように感じるかも知れないけど、全て真実で観終えると確かに言葉にはできない不思議な感動が。

何よりビックリなのがタコ🐙が人間を個体認識して犬とか猫みたいに心を開いて主人公に懐いていくところ。
主人公の足下に来てウネウネと胸元まで上がってきて主人公に抱きしめられ心地好げに身を任せる様はタコ🐙には見えなかった笑
完全に両想いといった雰囲気でちょっと禁断の愛を垣間見てしまったような気まずさすら感じたね笑

バカにしてるわけじゃなくて変な風に感じてしまうのも主人公のおっさんがタコ🐙のことを語る時に「彼女」🐙て言うからなんだよ。「彼女は輝いていた」「彼女が気になって毎日ダイビングしてた」「彼女に畏敬の念を持った」etc
とにかくこんな感じで熱く語るんで人間の女性相手の恋愛を回想してるように見えて少し怖さがあった笑

まあ、でも、それもおれの考えが浅薄なだけかも知れない。人の孤独や鬱を救えるのは人だけだって固定観念があるからそう見えるだけ。
相手が何物なんか問題じゃない、大事なのは確かな信頼関係を築いて温かく穏やかな心になることなんだよ!

あと、凄いと思ったのはこの人、ドキュメンタリー作家だけあって単なるタコ🐙萌えに終わらず、タコ🐙の生態をどんどん熟知していき、それを入口に周辺の海洋環境を把握して、それをこちらに分かるように映像化している。『ダーウィンが来た!』より遥かに内容が濃くておもしろかった。
行方不明になってしまった彼女🐙を彼女🐙の行動パターンを分析して1週間後に捜し出した離れ技は単なるタコ🐙フェチにできることじゃないよ!
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