このレビューはネタバレを含みます
実話ベースで史上最も悪名高き裁判と言われた話なので、被告側が善、判事が悪という構図なんでしょうけど、この年代のヒッピーや左翼運動家たちに思い入れも共感もないため、公平に見ようとしましたが法廷劇として最初から非常にイライラします。
負けがわかっている出来レース裁判。
しかし被告側は、境遇の異なる者同士の譲歩や協力もなくみんな好き勝手自分の主義思想を言い合うだけ。
文化的革命を成功させるには〜とか
俺はボーイスカウトの団長だったから陪審員の心証がいいはず、とか
判事への抗議の意味で号令に起立しない、とか
普段からすごい綺麗事な理想論を言って政治を動かすんだ!って割に
なんかみみっちいなあって。笑
裁判をどう勝つか、どうやったら世論を味方に出来るかを弁護士含めて戦略が弱く、描写がないだけだったのか?
なすがままにまた裁判、裁判の繰り返し。
切り札的な登場も、結局消化不良。
結局デモで暴力煽ってるじゃん!っていう証拠が最後の方に出てくるし、
正義を振りかざすとどうしても「敵」を作るわけで、つくづく難しい問題だなって思いました。
ラストも特に感動はなく…ここが実話かフィクションかどうかは知らないけど、映画としていかにもアメリカ的な結び。
ただ、この時代の混沌としたアメリカだからこそ起きたものでそれ以上でも以下でもないし、これらの社会的背景はもっと踏み込んで考察されるべき事象なんだろうなと思いました。