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いつかの君にもわかることのエスのレビュー・感想・評価

いつかの君にもわかること(2020年製作の映画)
4.7
不治の病で余命僅かなシングルファーザーのジョンが4歳の息子マイケルの為に新しい家族を一緒に探すお話。

何気なく映し出される彼らの日常が普遍的であり、物凄く輝かしく愛おしくって、だからこそ失われて欲しくないと心底願った。そばに居たいのに居てあげられないなんてどの言葉でも表しきれない辛辣さ。

誕生日ケーキのシーンは切なくて胸が張り裂けそうだったし、というか終始ずっと切なくて涙が止まらなくて、鑑賞後も各シーンを思い出しては泣きたくなる。

マイケルのその無垢な表情の奥底にちゃんと物事がどう動いてるのか分かってて、それ故の不安な面持ちがキツかったです。ちゃんと見てるしちゃんとわかる汲み取れるんだよ、と。
段々やつれていくジョンを見るのも辛かった。
だからこそ尋常じゃない安心感を与えてくれるオフショット。

実話ベースのお話とのことで、敢えてドラマチックにせず、淡々と誰かの日常として描くその手法が、映し出される日々をかけがえの無い尊いものにしていたなと感じました。
自分の家族が幸せであるべく出来ることをしようと思ったし、そして性別関係なく一つ手で子供が育つことの出来る世の中であって欲しいものです。
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