胸糞鬱不条理大好き

ミッドナイト・スカイの胸糞鬱不条理大好きのレビュー・感想・評価

ミッドナイト・スカイ(2020年製作の映画)
3.0
宇宙を舞台にした「ゼロ・グラビティ」でもお馴染みジョージ・クルーニーが俳優&監督として手掛けた作品。
宇宙空間、新天地の景色、生命を感じさせない北極の光景など、美しい映像がたくさん。
(他の作品と比べてしまうと見劣りする点もあるにはあるが…)

ゼロ・グラビティが主人公「個人」の再生に対して、本作は宇宙や地球滅亡を通して「他者との関わり」に重きを置いたメッセージを受け取ることができる。

場面は人類が住める環境でなくなった地球と、新天地調査から帰還する宇宙船の2つを行き来する。

余命幾ばくもない科学者オーガスティンは、北極に残り宇宙の観測を続ける。
人類が移り住む新天地を探し当てるため、自身のプライベートにおける人間関係を蔑ろにしてきた過去を持ち、
たった一人、閉ざされた北極で最後の時間を過ごしていたところ、避難しそこねてしまった少女アイリスと出会う。

一方、人類が移り住む新天地を調査し、地球の現状を知らぬまま家族との再開を楽しみに帰還を目指すアイテル号。

以前の面影を失った地球を目の当たりにし、家族との約束である地球への帰還を果たすか否かを決断していくアイリス号クルー。
自分に残された時間をどのように過ごすか選択していく中で、長く生きられないが家族と過ごす事を優先するクルーが勿論いるわけで、いわゆる絆と呼ばれるものの強さに人間讃歌を感じさせていた。

また、アイテル号を救おうと奮闘する過程でアイリスと心を通わせ、人生の最期を前にして他者との関わりに意味を見出し始めるオーガスティン。
後に明らかになるアイテル号サリーとの繋がりによって、他者との関係を蔑ろにしていたように映る彼の過去にも救いがもたらされる。

2場面それぞれ独立してメッセージ性を持ちつつも、最後には相乗効果でより結論を強めていくような、優等生的ヒューマンドラマといった印象。

なんとなく普遍的な人間讃歌っぽいのにあまりインパクトが無く感じられて点数が普通くらいですが、違うタイミングで観れば評価上がるかもしれない。


ところで、イケオジと幼女の組み合わせってなんか胸熱よな。
レオンもそうじゃん。