極度の大気汚染により、もはや地上で暮らすことが不可能になった近未来の地球。北極の天文台から職員とその家族も一斉に退避している。しかし、老天文学者オーガスティンは、重篤な病で寿命もあと数日。彼は一人天文台に残って、衛星探索から帰還しようとしている宇宙船クルーに、地球へ戻らないよう伝えるべく、あらゆる手段をこうじる。
途中、施設内で、避難し損なった一人の少女アイリスを発見。これまで研究一筋で、家族を顧みず生きて来た無骨な男オーガスティンは、その後悔と罪悪感を埋めるかのように、アイリスを必死で守る。
そして、通信機能が使える別の天文台へ命からがら移動し、宇宙船との交信に成功するものの、そこで伝えるべきは、もうクルーに帰る場所はないという哀しい事実であった。