これは観たかった映画。あったかい気持ちになる良作だった。
調香師という仕事は知っていたけれど、工場から出る悪臭をどうにかして欲しいという依頼やバッグの匂いを消して欲しいという依頼には驚いた。匂いにまつわるあらゆる事が仕事になるのか、とハッとさせられた感じ。あと、自分の匂いを嗅いで鼻をリセットするのは知らなかったなぁ。
地位を築いたことによる傲慢さではなく、匂いの世界に閉じこもっていたがゆえのコミュ障というのがちゃんと表現されていたから、アンヌにイヤな気持ちは抱かなかったけど、さすがにギヨームの父との思い出をぶったぎるような言い方には苦笑したわ。ちょっとギヨームに同情してしまった。
でも、ギヨームと出会ったことで人付き合いを学んだアンヌと、アンヌに出会ったことで調香師としての道を歩むことになったギヨームの、互いの得意な事を活かし合う凸凹がハマっている感じは、恋愛が絡んでいなかったのもあって、スッキリとしていて、観ていて心地好かった。
それにしても、映画の内容に合うように、もっとオシャレな邦題にしたら良かったのに・・・との思いが否めないぐらい、邦題がイケテない。映画には、DiorやHERMESが協力していたようなのに。勿体ない。
#6_2021