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アンダードッグ 後編のハルのレビュー・感想・評価

アンダードッグ 後編(2020年製作の映画)
4.0
前編に続いて鑑賞。
色々なことが繋がっていく後編。
後編のメインは末永(森山未來)と龍太(北村匠海)になる。

最後の試合、末永の身体が本当に作り込まれていて、森山未來は流石だな~と唸らされた。
とはいえボクシング経験者だったり、かじったことある人間からすると手打ちで当てていないのが目立ってしまうのは否めない。
仕方ないけど、拳を振り切れない分ここは難しい。
他のボクシング映画よりも試合のシーンをごまかさず長回しで撮影してる分だけよくやってるとは思う、一方で気になる人は気になるだろうな。

ストーリー部分は前・後編通して話の本筋としても上手くまとまっているし、熱量も凄まじいので見ていて熱くなるシーンが多い。

父親との関係やこれまでの人生、これからの生き方などボクシングに関わることで捨てないといけないものを目の当たりにしていく厳しさは、険しく儚い。

児童虐待の問題や暴力は暴力で返される、因果応報的な部分も描いているので、単純なボクシング映画という枠組みではカテゴライズできない。

アンダードッグはいうなれば、末永の人生をそのまま疑似体感させることで「生きる」ことの意味を深く考えさせられる作品だった。

あの試合の後にどうなるかは分からないけど、死ぬことになってもやり続ける姿が想像できるエンディングは良かった。
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