[花開くオリヴェイラとモンテイロの残り香] 70点
夫は娘ほどの年齢の若い女性と不倫しても特にお咎め無しなのに、自分は更年期だからだの狂人の家系だからだの散々言われて精神病院に監禁され、搾取され続けるという男女格差についての話。実話が基になっているらしく、都合の良い部分で"実は実話なんです!"と逃げてる部分もあるが、無理矢理一般化して変なことになるくらいなら人物の描写に特化してしまおうという姿勢は潔い。オリヴィエラとモンテイロのカメラマンが監督ということもあって、精神病院での演劇シーンは多分『神曲』を連想させようとしてるんだろうし(未見なのでなんとも)、彼らのミューズだったマリア・デ・メディロスは白髪だのババアだの散々な言われようだったが、画面の中で溌溂と輝いていた。部屋の入口を使ったフレーム内フレームの多彩さや、マリアが髪を解放させるショットにも驚かされる。それでも、展開がちと鈍重で物足りないのは確か。
イダリナって、あれはどうなったんすか?