TIFF2020の10本目!
虐待などで親と引き離された子供たち。
その子達を親へ返すのか、それとも親権を取り消して養子縁組を進めるか。
その判定をする裁判所のドキュメンタリー。
ほぼ状況説明や人物説明がない。
更には次々と人が変わっていくので誰が誰やら把握するのが大変。
淡々と判事や当事者や関係者、弁護士やケースワーカーとのやり取りを映しとっていくだけ。
そこから何となく推測していくしかない。
でもこれがリアル。
泣き出す人はいても、怒鳴り散らしたり、暴れたりするヒトはいない。
時に淡々と、時に悔しがり、時に未練タラタラで子供の親権を放棄する、またはさせられる。
見てて思うのは、本当に外見だけじゃ親達がどういう人なのか分からないこと。
分かりやすいコワモテというよりは普通そうな人も多くて(冷たい印象の人はいるが)、子供と引き離すべきか否かは映画の一部分だけでは分からない。
これは本当に難しい判断。
そこを証拠を揃えたり、質問・尋問で見定めていく家族児童局(DCFS)の局員。
相対する弁護士。
バッタグリアさんというメガネの女性局員ステキだったな。
常に冷静で公平でいなければいけないけど、親子を引き離してしまった後の申し訳無さそうな表情。
1回だけ、親子を戻してあげられた時の嬉しそうな表情だけが救い。
そしていつ引き離されるか分からない中で子供に愛情を注いでいる里親たち。
なんだかもう涙が出てきた。
でも最初に出てきたヤク中夫婦が、行政サービスを受けた数ヶ月後に表情が明らかに柔らかくなってるのが印象的だったな。
とっつきづらい作りではあるけど、観て良かった。
日本でも虐待は止まらない。
アメリカでも家庭にどこまで介入していいのかという問題はあるらしいけど、日本もこれくらいやらないといけないのでは?