Rick

マッドマックス:フュリオサのRickのレビュー・感想・評価

4.1
 怒りのデスロードから9年、あのカッコいいフュリオサの前日譚が明らかになる。なぜ片腕なのか、なぜ坊主頭なのか、なぜイモータン・ジョーの砦にいたのか。前作が神話的な行きて帰りし物語、英雄の旅と誕生だったのに対し、今作は明確に西部劇。囚われと解放、怒りと復讐の物語になっている。荒廃した世界で、どうして狂わずにいられるのか。常に目を背けずに、狂気を見据え続け、何よりも雌伏の時でも怒り続けること。許さず、今できることを考えて行動するのだ。
 全体的にハイテンションでアホみたいなマシンの排気音に塗れた映画ながらも、核にあるのはフェミニズム的な意気込みである。思ったよりも小さい話ながら(画面上はめっちゃ派手)、世界観や勢力図の深みは増していて、政治劇としても楽しめる部分もある。
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