“学び”は続く。数多の愚かさと数えきれぬ血と死体の上に打ち出された「教え」も時間が経てば、曲解され、当初とは異なるものになってしまう。”APES together strong“すらも遠い過去のものに。体良く信奉され、掟となった。類人猿の繁栄は止まることを知らず、いよいよあの『猿の惑星』へと繋がる寸前である。檻と自由に関する今シリーズも円熟し、すでに堂々たる風格すら漂う。
最初の長シーザーの戦いと葛藤を知っているからこそ、今作のヴィランの思想は許せない。とはいえ、恐ろしいほどに新主人公ノアに感情移入させられるため、人間のことも信用ならない。猿の惑星シリーズでしか味わえない感情の機微も十二分に堪能できる。