Rick

アメリカン・フィクションのRickのレビュー・感想・評価

アメリカン・フィクション(2023年製作の映画)
4.5
 マジョリティのマジョリティによるマジョリティのためのアメリカン・ドリームが潰えた現代では、マイノリティのマイノリティによるマジョリティのためのアメリカン・フィクションが顔を覗かせている。マジョリティの思うマイノリティらしさを皆が望む。需要があると言うことは、お金が動く。お金が動くということは、いろんなものが封じ込めらる。“Representation”とは一体なんなのか、それは誰のものであるべきなのか。表象されたものは、その時点で真実からは乖離する。とあるマイノリティを代表するものだと評価されるとしても、マイノリティの中でも意見や態度の差はあり、万人を表象することは不可能に近い。尽きぬ議論に答えが出ることはないが、今作が広げる波紋はどこまで連れて行ってくれるのだろうか。
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