コーディー

サムジンカンパニー1995のコーディーのレビュー・感想・評価

サムジンカンパニー1995(2020年製作の映画)
4.1
大企業の末端に追いやられる高卒女性職員たち、有能なのに誰も目もくれず書類管理やコーヒー入れの腕ばかり磨かれる。
そんな報われぬ現実を慰め合う彼女らが直面する会社の不正隠蔽。ガラスの天井にやりたい事は弾かれても信念だけは貫こうとする小さな声の連帯に組織が揺らぐ!好き!

90年代風ディスコ音楽に乗せ軽快に働く女性を捉える冒頭から、早々に性別・学歴など男性優位社会に夢砕かれる悶々とした日常を見つめる前半。この辺りの描き方も無駄がなく不遇に置かれながらも上を向いて働く女性らの逞しさが印象的。そんな有能ぶりが不正を暴くのに実を結ぶミステリー展開も爽快だ!

経緯は違うけど、1991年に起きた企業による水質汚染事件をモチーフにしている。実際に上層部相手に闘った職員はいなかったかもしれないけど、犠牲になる側が社会の腐敗を正すという構図、そんな想いを彼女らに託したのかな。
割と都合良い展開など女性解放の訴えは弱めやけど主演3人の闘いには光を感じた。

と、思ったよりシリアスな内容やけど今に通ずる時代を映しながら、更に小気味良くエンタメに昇華させる韓国映画。さすがだわ!
『グエムル』で怪物に拐われてたあの少女、コ・アソンもキャリアを積んですっかり正義を纏う素敵な女性になってたしw
『スウィングキッズ』のパク・ヘスも天才数学女子としてまた全然違った魅力爆発!

前から気になっててやっと観れたけど、映画館で観て良かった。